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ウィークリー経済レポート
2025年9月8日 – 9月12日の総括と来週の展望
📈 今週のサマリー:米利下げ期待でドル安加速、日米株は最高値更新
今週の金融市場は、米国の弱い経済指標(雇用統計、消費者物価指数、消費者信頼感)が相次いだことを受け、FRBによる利下げ期待が一気に高まりました。これにより米長期金利が低下し、ドルは主要通貨に対して下落。この「金利低下・ドル安」を好感し、日米の株式市場はAI関連株を中心に史上最高値を更新する歴史的な一週間となりました。一方、ECBはタカ派的な姿勢を維持し、ユーロが強含むなど、中央銀行間の政策の方向性の違いが鮮明になりました。
📊 今週の市場動向 (2025/09/08 – 09/12)
株式市場
日経平均は週間で4%以上上昇し、連日で史上最高値を更新。終値で44,000円台を突破しました。米国のハイテク株高と国内の政権交代への期待感が追い風となり、ソフトバンクGなどが相場を牽引しました。米国市場でも、NYダウ、S&P500、ナスダックの3指数が揃って史上最高値を更新。FRBの利下げが確実視される中、金利に敏感なハイテク株を中心に買いが殺到しました。
為替市場
ドル円は週初に日本の政局不安から149円台まで上昇しましたが、米国の弱い経済指標を受けて週後半には146円台まで急落。FRBの利下げ観測がドルの上値を強く抑えました。一方、ユーロはECBがタカ派姿勢を崩さなかったことから対ドルで強含み、7月の高値を更新しました。
債券市場
米10年債利回りは、FRBの利下げ期待を織り込む形で4.0%近辺まで低下。週を通じて金利低下圧力がかかり続け、株式市場の追い風となりました。
商品・仮想通貨市場
安全資産とされる金(ゴールド)は、米金利低下を背景に需要が高まり、一時3,650ドルを超える史上最高値を記録しました。ビットコインも同様に金利低下を好感し、11万ドル台を回復するなど堅調に推移しました。原油(WTI)は、供給過剰懸念と地政学リスクが交錯し、62ドル近辺で不安定な動きとなりました。
🗓️ 来週の展望と主要イベント (2025/09/15 – 09/19)
来週は、今月最大のイベントである**米連邦公開市場委員会(FOMC、16-17日)**と**日銀金融政策決定会合(18-19日)**が開催され、金融市場はクライマックスを迎えます。市場はすでにFRBの利下げを織り込んでいますが、焦点はその利下げ幅(0.25%か0.50%か)と、同時に公表される経済見通し(SEP)およびドット・プロット(政策金利見通し)に集まります。パウエル議長の会見も、今後の利下げペースを探る上で極めて重要です。一方の日銀会合では、植田総裁の会見で追加利上げに関するヒントが示されるかどうかに注目が集まります。これらの結果次第で、週後半の市場は大きく変動する可能性があります。
日時 | 国 | 指標・イベント名 | 重要度 |
---|---|---|---|
15日(月) | 🇨🇳 | 小売売上高 / 鉱工業生産 | ★★★★☆ |
16日(火) | 🇺🇸 | 小売売上高 | ★★★★☆ |
17日(水) | 🇺🇸 | FOMC政策金利発表・経済見通し | ★★★★★ |
18日(木) | 🇬🇧 | BOE政策金利発表 | ★★★★☆ |
19日(金) | 🇯🇵 | 日銀政策金利発表・総裁会見 | ★★★★★ |
19日(金) | 🇯🇵 | 全国消費者物価指数 (CPI) | ★★★★☆ |