目次
朝の経済レポート (修正版)
経済・為替市況 2025年08月01日 | 市場動向と経済指標カレンダー
🎯 本日の最重要注目ポイント
- 米雇用統計発表:市場の最大の注目材料。非農業部門雇用者数、失業率、平均時給の結果が、FRBの今後の金融政策の方向性(特に利下げ時期)に関する思惑を大きく左右する可能性があります。
- 欧州主要国のPMI発表:イギリス、ドイツ、フランスの製造業PMIが相次いで発表されます。欧州経済の景況感を測る上で重要であり、特に弱い結果が続けば景気後退懸念が強まり、ユーロやポンドの売り圧力となる可能性があります。
- 日米金融政策の方向性と円安の行方:昨日、日銀が追加利上げに慎重な姿勢を示した一方、FRBは早期利下げ期待を後退させました。この金融政策の方向性の違いから円安が加速し、ドル円は一時150円台を記録。本日の経済指標を受けて、この流れが継続・加速するかが焦点です。
🇺🇸 米国経済・為替
動向: 昨日の米国市場は、FOMC議事録で早期利下げ期待が後退したことから、主要株価指数はまちまちな展開となりました。好調な企業決算がハイテク株を支える一方、金利上昇が相場の重しとなりました。ドル円は日米金利差を背景に一時150円台まで上昇しました。
見通し: 本日発表の雇用統計が最大の焦点です。強い結果が出れば、FRBの利下げ観測はさらに後退し、ドル高・株安圧力が強まる可能性があります。逆に弱い結果となれば、利下げ期待が再燃し、ドル安・株高に振れる展開が予想されます。
🇯🇵 日本経済・為替
動向: 昨日の東京株式市場は、前日の米国ハイテク株高と、日銀が金融政策の現状維持を決定したことによる安心感から5営業日ぶりに反発しました。為替市場では、植田日銀総裁の追加利上げに慎重な発言を受け、円安が急速に進行しました。
見通し: 引き続き、米国の金融政策と為替の動向が日本株の鍵を握ります。円安の進行は輸出企業にとって追い風ですが、行き過ぎた円安は輸入物価の上昇を通じて国内経済に悪影響を与える可能性もあり、そのバランスが注視されます。本日は米雇用統計の結果を受けた為替の動きに一喜一憂する展開となりそうです。
🇨🇳 中国経済・為替
動向: 政府の景気支援策への期待感から経済の底堅さが見られる一方、不動産市場の低迷や米中間の貿易摩擦が依然として重しとなっています。人民元は対ドルで軟調に推移しています。
見通し: 本日発表される財新製造業PMIの結果が注目されます。市場予想を下回るようであれば、中国経済の先行き不透明感が強まり、リスク回避の動きにつながる可能性があります。政府による追加の景気刺激策への期待が相場を下支えできるかがポイントです。
🇪🇺 ユーロ圏経済・為替
動向: 昨日の欧州株式市場は、企業決算が好感され、総じて堅調に推移しました。為替市場では、ドル高の流れを受けてユーロは対ドルで下落しました。
見通し: 本日発表のユーロ圏CPI速報値と製造業PMI確報値が重要です。CPIが市場予想を上回れば、ECBの利下げ観測が後退し、ユーロが買われる可能性があります。逆に、弱い経済指標が続けば、景気後退懸念からユーロの上値は重くなるでしょう。
🇦🇺🇳🇿 オセアニア経済・為替
動向: 昨日発表された豪州のCPIが市場予想を下回ったことで、RBA(豪準備銀)の利下げ観測が強まり、豪ドルは対円で下落しました。一方で、同日発表の小売売上高は予想を上回り、豪経済の底堅さも示されました。
見通し: RBAの金融政策の方向性が最大の焦点です。市場は今後の利下げのタイミングと回数を探る展開が続きます。世界経済、特に中国経済の動向が資源国であるオーストラリアの景況感に大きく影響するため、中国の経済指標にも注意が必要です。
🥇 ゴールド & 🛢️ 原油
ゴールド: 米長期金利の上昇とドル高が重しとなり、下落しています。安全資産としての魅力が相対的に低下しており、本日の米雇用統計の結果を受けた金利の動きが、今後の価格を左右するでしょう。
原油 (WTI): 前日までの3営業日続伸の反動や、ドル高による割高感から下落しています。世界経済の景気後退懸念が需要の重しとなる一方、地政学的リスクは価格を下支えしており、需給両面の要因をにらんだ展開が続きそうです。
🪙 仮想通貨
BTC: 1,700万円台(12万ドル前後)の高値圏で推移しており、力強い上昇トレンドが継続しています。米国の金融緩和期待や現物ETFへの資金流入が追い風となっていますが、国際情勢の不確実性などによる短期的な価格変動には注意が必要です。
🗓️ 本日発表予定の主要経済指標 (完全版)
時刻 | 国 | 指標名/発言者 | 前回 | 予想 | 重要度 |
---|---|---|---|---|---|
08:30 | 🇯🇵 | 失業率 (7月) | – | – | ★★★☆☆ |
08:30 | 🇯🇵 | 有効求人倍率 (7月) | – | – | ★★★☆☆ |
10:45 | 🇨🇳 | 財新製造業PMI (7月) | 50.4 | – | ★★★★☆ |
15:00 | 🇬🇧 | ネーションワイド住宅価格 (7月) | – | +0.5% | ★★★☆☆ |
16:50 | 🇫🇷 | 製造業PMI (7月・改定値) | 48.1 | 48.4 | ★★★★☆ |
16:55 | 🇩🇪 | 製造業PMI (7月・改定値) | 49.0 | 49.2 | ★★★★☆ |
17:00 | 🇪🇺 | 製造業PMI (7月・改定値) | 49.8 | – | ★★★★☆ |
17:30 | 🇬🇧 | 製造業PMI (7月・改定値) | 48.2 | 48.2 | ★★★★☆ |
18:00 | 🇪🇺 | 消費者物価指数 (HICP) (7月・速報値) | 2.0% | – | ★★★★★ |
21:30 | 🇺🇸 | 非農業部門雇用者数 (7月) | 14.7万人 | 11.8万人 | ★★★★★ |
21:30 | 🇺🇸 | 失業率 (7月) | 4.1% | 4.2% | ★★★★★ |
22:45 | 🇺🇸 | 製造業PMI (7月) | – | – | ★★★★☆ |
23:00 | 🇺🇸 | ISM製造業景況指数 (7月) | 49.0 | 49.8 | ★★★★★ |
注記:
本日、特に予定されているFRB、ECB、日銀、BOE、RBAの総裁・理事クラスの講演はありません。市場の注目は経済指標、特に米雇用統計と欧州各国のPMIに集まります。