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朝の経済レポート 2025年11月26日(水)






朝の経済レポート 2025年11月26日(水)

目次

朝の経済レポート

経済・為替市況 2025年11月26日(水) | 市場動向と経済指標カレンダー

🎯 本日の最重要注目ポイント

  • FRBの利下げ観測再燃と市場の反応: 米国市場の上昇とドル安の主要因であり、FRB高官のハト派発言が利下げ期待を大きく高めています。雇用関連指標や小売売上高が予想を下回ったこともこれを後押し。市場の動向を大きく左右する要因として注目されます。
  • 日本市場のAI関連株動向と失速: 日本市場は米国株高を好感して始まったものの、ソフトバンクグループ株の急落やGoogleの新AIモデル「Gemini 3」発表によるAI競争激化への警戒感から日経平均が失速。ハイテク株の動向が市場全体に与える影響に注目されます。
  • WTI原油価格の下落と地政学的リスク緩和への期待: ロシア・ウクライナ間の和平交渉進展への期待から原油供給増加の見方が広がり、WTI原油価格が下落。地政学的リスクの緩和が世界経済に与える影響と、今後の原油価格動向に注目されます。

🇺🇸 米国経済・為替

動向: 2025年11月25日の米国市場は、主要3指数が続伸し、特に利下げ期待の高まりが市場を押し上げました。NYダウ平均株価は47,112.45ドル(前日比 +664.18ドル)、S&P500は6,765.88ポイント(前日比 +60.76ポイント)、ナスダック総合指数は23,025.59ポイント(前日比 +153.59ポイント)で取引を終えました。市場を牽引した主な要因は、FRB高官からの12月利下げを支持する発言が相次ぎ、市場では12月の利下げ確率が80~90%に上昇したことです。雇用関連指標や小売売上高が予想を下回ったことも、利下げ期待を後押ししました。ハイテク株では、アルファベット(新AIモデル「Gemini 3」発表)やテスラなどが上昇を牽引し、ナスダック指数は大幅に続伸しました。

見通し: 経済指標の発表再開も投資家心理を支えましたが、週初にはAI・半導体関連株に不安定な動きや利益確定売りが見られました。FRBの動向と今後の経済指標に引き続き注目が集まります。

🇯🇵 日本経済・為替

動向: 2025年11月25日の日本市場は、連休明けで米国株高を好感し、日経平均株価は前週末比33円64銭高の48,659円52銭で取引を終え、小幅に反発しました。取引開始直後には550円を超える上昇を見せましたが、買いが一巡した後は上値が重くなり、後場には一時マイナス圏に転じる場面もありました。特に、AIブームの象徴的銘柄であったソフトバンクグループ株が急落し、日経平均を340円ほど押し下げたことが失速の要因となりました。これは、Googleが発表した最新AI「Gemini 3」が高い評価を受けたことで、米OpenAIとの競争激化への警戒感が強まったためと見られています。TOPIXは6.84ポイント安の3,290.89で小幅に下落、東証グロース250指数も大幅に反落しました。東京外国為替市場ではドル円が156.90-92円で横ばい推移でしたが、ニューヨーク市場では米利下げ観測の高まりからドル円は反落し、終値は156.03円とドル安水準となりました。

見通し: 市場全体としては、米国株高を好感して始まったものの、ソフトバンクグループ株の急落やAI競争激化への懸念、国内の長期金利高止まりなどが重しとなり、上値の重い展開となりました。ファンダメンタルズ的には円安地合いが継続しやすいとの見方がある一方、日本当局による円買い介入への警戒感も引き続き存在します。

🇨🇳 中国経済・為替

動向: 2025年11月25日時点の中国経済は、第15次5カ年計画の基本方針が発表されましたが、抜本的な改革意欲の低下が示唆されました。米国による中国からの輸入品関税引き下げ(30%から20%へ)により、中国の実質GDPは改善するとの試算があるものの、不動産不況の継続や補助金政策効果の一巡により内需は厳しい状況が続いています。米議会諮問委員会は中国の供給過剰と経済的威圧への対応策を提言し、サプライチェーンにおける支配力武器化の可能性に警告しました。日中関係の悪化も懸念材料です。一方、半導体受託製造最大手のSMICは純利益が前年同期比で約3割増加するなど、一部産業は好調です。為替では、中国人民銀行は中心レートを1ドル=7.0826元と発表(前日比0.0021元安)。人民元/円は1人民元=22.07円前後で推移しました。

見通し: 米中貿易戦争の一時停戦により2026年の中国成長率見通しは上方修正されましたが、内需の厳しさ、米中関係、日中関係の悪化は依然として課題です。国内の半導体産業の成長や輸出先のシフトといったポジティブな側面もある一方で、地政学的リスクには引き続き注意が必要です。

🇪🇺 ユーロ圏経済・為替

動向: 2025年11月25日の欧州市場は、主要株価指数がまちまちの動きを見せつつも、全体としては上昇する展開となりました。英国FTSE100指数は0.78%高、ドイツDAX指数は0.97%高、フランスCAC40指数は0.83%高で取引を終えました。ウクライナが米国の提示した和平案の枠組みを支持したとの報道や、米国の12月利下げ観測の強まりが投資家のリスク選好意欲を高めました。建設、素材、金融などの銘柄が市場の上昇を主導しました。一方で、ドイツのIFO企業景況感指数が予想外に悪化(88.1、前月88.4から低下、予想88.5を下回る)し、欧州経済の先行き懸念が強まりました。為替市場では、ドル円が軟調な地合いとなり156円台前半で推移、ユーロドルは1.1520ドルから1.1540ドルの間で底堅い動きを見せました。

見通し: 米国の利下げ観測や地政学的リスクの緩和期待が欧州市場を支援する一方で、ドイツの景況感悪化はユーロ圏経済全体の回復に懸念材料となります。ユーロ圏の主要経済指標とFRBの金融政策動向に引き続き注目が集まります。

🇦🇺🇳🇿 オセアニア経済・為替

動向: 2025年11月25日のオーストラリア経済では、連邦政府が公務員費用の抑制のため各省庁に追加の支出削減案を求めています。中期的な経済見通しは堅調で、2026-2027年度以降の実質GDP成長率は年率2.75%、名目GDP成長率は年率5.25%と予想されています。インフレ率は依然高いものの低下傾向にあり、失業率は4.1%、労働参加率は66.7%と良好です。経済は力強い人口増加と移民の増加に支えられていますが、住宅価格高騰などから移民政策の転換が模索されています。豪ドル/円は101円台半ばで取引を終え、円安地合いとなりましたが、豪ドル/米ドルの方向感の定まらない動きに影響されました。

見通し: 11月26日にはオーストラリアの10月消費者物価指数(CPI)が発表され、予想を上回ればインフレ懸念から利下げ期待の後退と豪ドルの上昇につながる可能性があります。一方、米国の感謝祭を控えてリスク資産の軟調な地合いが続くことから、豪ドルはやや弱含むと予想されます。国際通貨基金(IMF)は、インフレ再燃、生産性低下、金利上昇リスクを抑制するため、オーストラリアに対し包括的な税制改革と歳出の見直しを提言しており、政策課題が山積しています。

🥇 ゴールド & 🛢️ 原油

ゴールド: 2025年11月25日の金価格は、日本国内で田中貴金属工業の店頭小売価格が23,068円/g、日本マテリアルが23,040円/gといずれも前日比で上昇し、国際市場でも4136.02米ドル/トロイオンスとわずかに上昇しました。これは米FRBの利下げ期待やインフレ沈静化の兆候、地政学的緊張による安全資産としての需要増加が主な要因です。FRB高官のハト派発言が12月の利下げ支持を高め、金価格は反発しました。2025年には世界の中央銀行が900トン以上の金を買い付けると予測されており、これも価格の下支えとなっています。

原油 (WTI): 2025年11月25日のWTI原油価格は下落傾向にあり、1バレルあたり約57.30ドルから57.96ドルの間で取引され、過去5週間で最低水準を記録しました。この価格下落の主な要因は、ロシアとウクライナ間の和平交渉進展への期待感です。和平合意が成立すれば、ロシアからの原油供給が増加し、世界の原油供給過剰につながるとの見方が広がっています。また、予想を下回る米国の経済指標もエネルギー需要への懸念から価格に影響を与えました。今年に入ってから原油価格は下落傾向にあり、4ヶ月連続で月間下落を記録する見込みです。

🪙 仮想通貨

BTC: 2025年11月25日のビットコイン価格は87,000ドルから88,000ドルの間で推移し、一時的には89,000ドルに達する場面も見られました。過去24時間ではわずかな下落を記録しましたが、最近の安値からは回復傾向にあります。しかし、過去7日間では8.7%下落、11月に入ってからは21%以上の下落を記録し、これは過去3年以上で最も急激な月間下落となりました。価格変動の要因としては、米FRB高官によるハト派的な発言が12月の利下げ期待を高め、ビットコインのようなリスク資産を押し上げる要因となりました。一方で、長期投資家による利益確定売り、FRBの利下げに関する不確実性、およびマクロ経済の懸念による全体的なリスク回避姿勢が、月初の下落に寄与しました。今後の見通しとしては、マクロ経済状況が緩和され、資金流入が好転すれば、90,000ドル、さらには95,000ドルから110,000ドルへの上昇も期待されています。

🗓️ 本日発表予定の主要経済指標 (完全版)

時刻 指標名/発言者 前回 予想 重要度
08:50 🇯🇵 10月企業向けサービス価格指数(前年同月比) 3.0% 2.7%
09:30 🇦🇺 10月消費者物価指数(CPI)(前年同月比) 3.5% 3.6% ★★
10:00 🇳🇿 ニュージーランド準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)政策金利 2.50% 2.25% ★★★
14:00 🇯🇵 9月景気先行指数(CI)・改定値 108.0
14:00 🇯🇵 9月景気一致指数(CI)・改定値 114.6
21:00 🇺🇸 MBA住宅ローン申請指数(前週比) -5.2%
22:30 🇺🇸 前週分新規失業保険申請件数 22.0万件 22.5万件 ★★
22:30 🇺🇸 前週分失業保険継続受給者数 197.4万人 ★★
22:30 🇺🇸 9月耐久財受注(前月比) 2.9% 1.0% ★★
22:30 🇺🇸 9月耐久財受注・輸送用機器除く(前月比) 0.4% 0.4% ★★
22:30 🇺🇸 7-9月期四半期実質国内総生産(GDP、改定値)(前期比年率)
22:30 🇺🇸 7-9月期四半期GDP個人消費・改定値(前期比年率)
22:30 🇺🇸 7-9月期四半期コアPCE・改定値(前期比年率)
23:45 🇺🇸 11月シカゴ購買部協会景気指数 43.8 44.3 ★★
24:00 🇺🇸 10月個人消費支出(PCE)(前月比)
24:00 🇺🇸 10月個人消費支出(PCEデフレーター)(前年同月比)
24:00 🇺🇸 10月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前月比)
24:00 🇺🇸 10月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前年同月比)
24:00 🇺🇸 10月個人所得(前月比)
28:00 🇺🇸 米地区連銀経済報告(ベージュブック) * * ★★

注記:
本日はFRBメンバーの講演予定はありません。


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