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朝の経済レポート 2025年12月04日(木)

目次

朝の経済レポート

経済・為替市況 2025年12月04日(木) | 市場動向と経済指標カレンダー

🎯 本日の最重要注目ポイント

  • 米国の新規失業保険申請件数(22:30 JST): 前日のADP雇用統計が2023年初以来最大の雇用削減を示し、労働市場の軟化が確認されました。本日の新規失業保険申請件数は、翌日の米雇用統計の「前哨戦」として市場の関心が非常に高く、結果次第でFRBの早期利下げ観測を決定的にするか否かの判断材料となり、為替市場を大きく動かす可能性があります。
  • 日銀の早期利上げ観測と円キャリー取引の調整: 日本では日銀の早期利上げ期待が急浮上し、円安が一服していますが、同時に日本の財政問題による円安基調は根強く残っています。円ショートのポジション調整に伴う動向が注目され、ドル円の155円台の攻防戦が本日の焦点となる見込みです。
  • 豪州貿易収支とRBAの金融政策スタンス: 豪ドルは対円で堅調に推移していますが、インフレ再燃の懸念からRBAが金利を長期間据え置く可能性が指摘されています。本日発表の10月貿易収支(9:30 JST)の結果は、豪州経済の底堅さを測る上で重要であり、豪ドルの方向性に影響を与える可能性があります。

🇺🇸 米国経済・為替

動向: 2025年12月3日の米国株式市場は、前日の終値でダウ平均が+0.23%、ナスダックが+0.57%と上昇して取引を終えました。しかし、NY時間の終盤にかけてはドル安が優勢となり、ドル円は155円台をかろうじて維持する展開となりました。これは、午前に発表されたADP雇用統計が2023年初め以来最大の雇用削減を示し、ISM非製造業景気指数も来週の米利下げ期待を裏付ける内容となったことで、ドル売りが加速したためです。米大手証券からは「ドルは、現在の非常に割高なバリュエーションに値しない」との見方も出ています。米国債10年利回りは4.092%で推移しました。

見通し: 本日は、翌日の米雇用統計を占う前哨戦となる新規失業保険申請件数に市場の注目が集まります。労働市場の弱さが確認され続ければ、利下げ期待がさらに高まり、ドル円は下落圧力を受ける可能性が高まります。一方、予想を上回る結果となれば、ドルは反発する可能性があります。

🇨🇳 中国経済・為替

動向: 2025年12月3日の中国本土株式市場は続落し、上海総合指数は0.51%安で取引を終えました。中国の景気不安が重しとなり、特に前場は小安い水準、後場に入ると一段安の展開となりました。中国金融情報会社が発表した11月サービス業PMIが前月比で低下したことが嫌気されました。為替市場では、ドル安元高が進み、ドルオフショア人民元は一時7.06を割り込む動きとなりました。

見通し: 景気不安とPMIの弱い内容が続いていることから、中国人民銀行は引き続き緩和的な金融政策を維持すると見られます。人民元の対ドルでの動向は、米国の金融政策、特に利下げ観測の行方に大きく左右されるでしょう。

🇪🇺 ユーロ圏・英国経済・為替

動向: 2025年12月3日の欧州株式市場は概ね上昇しましたが、英国株は下落に転じるなど、混合の取引となりました。独DAX指数は0.3%上昇した一方、英FTSE 100は0.1%下落しました。ポンドは対ドルでわずかに上昇し、1.32ドルの水準に向けて回復しました。投資家は、ラガルドECB総裁の発言に注目しましたが、大きな方向性は見られませんでした。

見通し: 本日は、ユーロ圏10月小売売上高英国11月建設業PMIの発表があります。これらの指標は、ユーロ圏と英国の経済活動の強さを示すため、市場の関心を集めるでしょう。特に小売売上高が低調であれば、ユーロ圏の利下げ観測を強める可能性があります。

🇦🇺🇳🇿 オセアニア経済・為替

動向: 2025年12月3日の外国為替市場では、豪ドル/円が102円43銭前後と、豪ドル高・円安で推移しました。豪州の景気は、7-9月期GDP成長率が鈍化しているものの、内需の堅調さによって下支えされています。インフレの再燃傾向が確認されており、RBA(オーストラリア準備銀行)は政策金利を長期間にわたって据え置く可能性が高いと見られています。

見通し: RBAのタカ派的なスタンス維持観測や、米ドル安傾向を背景に、豪ドルは対米ドル、対円で底堅い動きが予想されます。本日の10月貿易収支(9:30 JST)の結果は、豪州の経済力を確認する上で重要となります。

🥇 ゴールド & 🛢️ 原油

ゴールド: 2025年12月3日のNY金先物(2月限)は、1オンス=4225.80ドル(-1.15%)と下落しました。ドル安の動きがあったものの、金価格は調整の動きを見せました。

原油 (WTI): WTI原油先物(1月限)は、1バレル=58.87ドル(-0.76%)と弱含みで推移しました。ウクライナ和平協議の進展期待が供給量増加の思惑につながり、価格に下押し圧力をかけました。また、需給のひっ迫は想定されておらず、上値の重い展開が続いています。

🪙 仮想通貨

BTC: 2025年12月3日のビットコイン価格は、91659.81ドル(+6.03%)と9万ドル台に反発し、強含みで推移しました。米利下げ期待や暗号資産市場の回復によって、リスク回避センチメントが薄れつつあることから、安心感が広がりました。

🗓️ 本日発表予定の主要経済指標 (完全版)

時刻 指標名/発言者 前回 予想 重要度
09:30 🇦🇺 10月貿易収支 +39.38億AUD +42.19億AUD ★★
18:30 🇬🇧 11月建設業購買担当者景気指数(PMI) 44.1 44.1 ★★
19:00 🇪🇺 10月小売売上高(前月比) -0.1% ±0.0% ★★
19:00 🇪🇺 10月小売売上高(前年同月比) +1.0% +1.3% ★★
21:30 🇺🇸 11月チャレンジャー人員削減数(前年比) +175.3%
22:30 🇺🇸 前週分新規失業保険申請件数 21.6万件 ★★★

注記:

本日はFRBメンバーの講演予定はありません(ブラックアウト期間中のため)。

米国の新規失業保険申請件数は、翌日の雇用統計に先行する指標として、特に重要視されます。

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