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朝の経済レポート 2025年12月09日(火)






朝の経済レポート 2025年12月09日(火)

目次

朝の経済レポート

経済・為替市況 2025年12月09日(月) | 市場動向と経済指標カレンダー

🎯 本日の最重要注目ポイント

  • 日銀の12月利上げ観測と植田総裁発言(18:00 JST): ロイター報道をきっかけにドル円が週末前に一時149円台へ急落。本日18時からの植田総裁発言(インフレ、金利、円の価値などについて)が、市場の利上げ確度をさらに高めるかどうかが、今週最大の焦点である日米中銀会合を前に、為替市場の方向性を決定づけます。
  • RBA政策金利発表(12:30 JST)と総裁会見: 市場予想は3.60%への据え置きでほぼ一致していますが、声明文やブロック総裁の会見内容が、豪州のインフレ動向や今後の利下げサイクル開始時期についてどのようなヒントを与えるかによって、豪ドル相場が大きく変動する可能性があります。
  • 米FOMCを控えた労働市場指標(9月JOLTS求人件数など): 9-10日のFOMCを控え、市場では0.25%の追加利下げを9割前後織り込んでいます。延期されていたJOLTS求人件数などの労働市場指標が予想よりも弱ければ、利下げ期待がさらに強まり、来年以降の利下げペースの議論に影響を与える可能性があります。

🇺🇸 米国経済・為替

動向: 12月6日(金)の米国株式市場は、米11月雇用統計の発表を控えた利益確定売りや、統計後の失業率上昇を受けてNYダウは248ドル安で反落しました。しかし、非農業部門雇用者数が予想を上回り、労働市場の底堅さが示されたこと、そして失業率の上昇によりFRBの12月利下げ確率が93%まで高まったことで、市場では緩和期待が維持されています。週明けの為替市場では、FOMCを控えたポジション調整や日本の地震による円安反応もあり、ドル円は一時156円近くまで急上昇する場面も見られました。米10年債利回りは上昇基調です。

見通し: 市場は9-10日のFOMCで利下げをほぼ織り込んでいますが、パウエル議長の記者会見や四半期経済予測(SEP)がタカ派的なトーンとなる可能性が指摘されています。本日発表される延期されていた9月JOLTS求人件数などが、来年以降の利下げペースに関するFRBの議論に影響を与えるかどうかが注目されます。

🇯🇵 日本経済・為替

動向: 週末、ロイター通信が日銀が12月18-19日の金融政策決定会合で政策金利を0.5%から0.75%へ引き上げる可能性が強まったと報じ、市場に大きな衝撃が走りました。これにより12月6日(金)のNY時間では、ドル円は150円60銭から149円37銭まで一時急落し、約2カ月半ぶりの円高水準を記録しました。週明けの東京市場では、前週末の急落からポジション調整の買い戻しが優勢となり、一時156円近くまで急反発する不安定な動きとなりました。背景には青森沖の地震による円安の反応も指摘されています。

見通し: 本日18:00には植田日銀総裁がFT主催のイベントに出席し、インフレ、金利、円の価値などについて発言する予定です。12月利上げ観測が急浮上した直後の発言となるため、市場は総裁が改めて利上げへの意欲を示すかどうかを注視します。日米中銀の金融政策格差の縮小期待が続く限り、ドル円は神経質な展開が予想されます。

🇨🇳 中国経済・為替

動向: 12月8日(日)の中国本土株式市場では、上海総合指数が0.54%高で続伸し、2週間超ぶりの高値を付けました。これは、米国の追加利下げへの期待と、中国指導部による中央経済工作会議での金融緩和や産業政策への期待感が買いを支えたためです。同日発表された11月の貿易統計(米ドル建て)は、輸出総額が前年同月比5.9%増と市場予想を上振れましたが、輸入総額は1.9%増と予想を下回りました。人民元は対ドルで7.11台後半で推移し、目立った動意はありません。

見通し: 輸出の回復が見られる一方で、輸入の弱さから内需の回復には依然として懸念が残ります。市場は、月内に開催が予定されている「中央経済工作会議」で、当局がどのような景気下支え策を打ち出すかに注目しています。

🇪🇺 ユーロ圏経済・為替

動向: 12月4日(水)の欧州株式市場は上昇し、米国の労働市場減速の兆候を背景とするFRBの利下げ観測への楽観が広がりました。ユーロは対ドルで小幅に下落し、1.16ドル台半ばで推移しました。欧州市場では、域内産業の競争力強化に向けたEUの新政策「クリーン産業ディール(CID)」が最優先課題として打ち出されており、米国産LNGの割高感など、域内産業の競争力への懸念が背景にあります。

見通し: ECBは12月18日に理事会を控えています。ユーロ圏の金利は現状の2%で据え置かれる見通しですが、欧州の財政赤字拡大から長期金利の高止まりリスクが意識されています。引き続き、米国の金融政策動向と、欧州経済の回復に向けた政策の進展が注目されます。

🇦🇺🇳🇿 オセアニア経済・為替

動向: 豪ドルは対ドル、対円ともにしっかりとした動きを見せています。直近の第3四半期GDPが予想を下回ったにもかかわらず、豪準備銀行(RBA)の利下げサイクル終了への期待が豪ドル高を支えています。豪ドル/円は101円台前半で堅調に推移しています。本日はRBAによる政策金利発表(12:30 JST)が控えており、市場予想は3.60%での据え置きです。

見通し: 本日のRBA政策金利発表とブロック総裁の記者会見が、今週のオセアニア市場の最大の焦点です。声明文や総裁会見で、インフレ抑制への言及や、今後の利下げ開始時期に関する示唆があれば、豪ドルの方向性が決まることになります。また、4:10にはブレマンNZ中銀新総裁の質疑応答もあり、こちらも注目です。

🥇 ゴールド & 🛢️ 原油

原油 (WTI): WTI原油先物価格は1バレルあたり60ドル台前半で推移し、週末にかけて上昇を維持しました。主な要因は、ウクライナを巡る米露和平交渉の停滞が報じられ、地政学的なリスクプレミアムが持続しているためです。また、FRBの12月利下げ期待が経済活動とエネルギー需要を押し上げるとの見方も、価格をサポートしています。

ゴールド: 金価格は4243.0ドル近辺で推移しています。地政学リスクの高止まりや、米国の利下げ観測の高まりが、「有事の金」および「低金利下での魅力的な代替資産」として、金価格を下支えしています。ただし、株価の調整局面では利益確定売りに押される場面も見られました。

🪙 仮想通貨

BTC: 直近の市場動向では、リスクオンムードの高まりを背景に、ビットコインは対円で一時1400万円台を突破するなど急騰を見せています。米国の利下げ期待が暗号資産市場への資金流入を加速させている要因です。ただし、米国の金融政策を巡る報道には引き続き神経質になる必要があります。

🗓️ 本日発表予定の主要経済指標 (完全版)

時刻 指標名/発言者 前回 予想 重要度
09:01 🇬🇧 11月英小売連合(BRC)小売売上高調査(前年同月比)
09:30 🇦🇺 11月NAB企業景況感指数 +9 ★★
09:30 🇦🇺 11月NAB企業信頼感指数 +6 ★★
12:30 🇦🇺 RBA政策金利発表 3.60% 3.60%据え置き ★★★
13:30 🇦🇺 ブロックRBA総裁 記者会見 ★★
17:00 🇩🇪 ナーゲル独連銀総裁 講演
18:00 🇯🇵 植田日銀総裁 発言 (FT The Global Boardroom) ★★★
23:15 🇬🇧 英中銀副総裁ら 財務委員会出席 ★★
24:00 🇺🇸 9月JOLTS求人件数 (延期分)
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