目次
朝の経済レポート
経済・為替市況 2026年03月13日(金) | 市場動向と経済指標カレンダー
🎯 本日の最重要注目ポイント
- WTI原油が+9%の急騰(95ドル台): 米・イランの軍事衝突長期化懸念でIEAが史上最大規模の4億バレル備蓄放出を決定したが、原油先物の上昇は止まらず。スタグフレーション警戒が市場全体に広がっている。
- 日米株ともに大幅続落: ダウ平均は829ドル安(昨年12月以来の安値水準)、日経平均は前日比572円安の54,452円。中東リスクと原油高がダブルパンチとして市場を圧迫している。
- 本日は重要指標ラッシュ(21:30 JST): 米国のPCEデフレーター(FRBが最重視するインフレ指標)・GDP改定値・耐久財受注と、カナダ雇用統計が同時刻に集中。原油高がインフレデータにどう影響するか注目。
- 英国の経済統計(16:00 JST): 月次GDP・鉱工業生産・貿易収支が一括発表。BOEの利下げ見通しに直結するデータとして、ポンド相場の変動要因となりうる。
🇺🇸 米国経済・為替
動向(3月12日): ダウ平均は829ドル安と大幅続落し、昨年12月上旬以来の安値水準まで下落した。米・イランの軍事衝突が長期戦の様相を呈し始めており、リスク回避の売りが加速。IEAが史上最大規模となる4億バレルの石油備蓄放出を決定したが、市場は「物足りない」と判断しWTI原油先物は+9%超の急騰となった。ガソリン価格の値上がりによるインフレ再加速懸念が、景気後退懸念と合わさるスタグフレーションリスクとして意識されている。ナスダックも連れ安。USD/JPYは159.40ドル付近で小幅な動きにとどまった。
見通し: 本日21:30(JST)にFRBが最重視するインフレ指標であるPCEデフレーター(1月分)とGDP改定値(Q4)が発表される。原油高がインフレを押し上げている中でのPCEの数値次第では、FRBの利下げ期待がさらに後退し、株式市場の売り圧力が強まる可能性がある。引き続き中東情勢と原油価格の動向が相場の最大のカギを握る。
🇯🇵 日本経済・為替
動向(3月12日): 日経平均は3日ぶりに反落し、前日比572円安の54,452円で引けた。時間外取引での米株先物の下落とアジア株全面安に引きずられ、一時前日比1,200円安まで急落する場面も。中東情勢の不透明感と原油高によるスタグフレーション懸念が嫌気された。25日移動平均線(56,208円)が大きな上値抵抗として機能しており、戻り一巡感が強まっている。ドル円(USD/JPY)は158円台後半から159円台前半で推移しており、IEAの石油備蓄放出報道にも市場の反応は薄く、円安水準が継続している。
見通し: 日経平均は上値を25日移動平均線(56,208円)に抑えられており、短期的な上昇は難しい局面。下値サポートとして75日移動平均線(52,936円)が注目される。原油高・円安のダブル効果でスタグフレーション懸念が強まれば、国内消費関連株への売り圧力が増す懸念がある。本日は日本の国内企業物価(8:50 JST)が発表予定。
🇨🇳 中国経済・為替
動向(3月12日): 人民元(USD/CNH)は6.882でほぼ横ばい。中国は中東情勢の影響を間接的に受ける形で、アジア株市場とともに軟調な展開となった。エネルギー輸入大国である中国にとって、原油価格の急騰は輸入コストの増大につながる懸念材料として意識されている。
見通し: 中国当局の人民元管理動向に引き続き注目。中東情勢の長期化によるエネルギーコスト上昇が続けば、中国のインフレ圧力が高まるリスクがある。本日の中国関連発表はなく、外部環境(原油・中東)次第の展開。
🇪🇺 ユーロ圏経済・為替
動向(3月12日): EUR/USDは1.1513とほぼ横ばいで推移。中東リスクの高まりで欧州株も軟調な展開となった。GBP/USDは1.3346(+0.02%)、GBP/JPYは212.71(+0.04%)と小幅高。EUR/JPYは183.49(+0.03%)とほぼ変わらず。
見通し: 本日16:00(JST)にドイツCPI確報値(2月・前月比+0.2%予想)とユーロ圏鉱工業生産(1月)が発表される。ドイツCPIが予想通りであればユーロへの影響は限定的だが、原油高によるエネルギーインフレ再加速への懸念はユーロ圏経済にとっての中期的リスク。英国の月次GDP(16:00 JST)もポンドおよびユーロ相場に影響しうる。
🇦🇺🇳🇿 オセアニア経済・為替
動向(3月12日): AUD/USDは0.7076(-0.03%)、AUD/JPYは112.75(-0.04%)、NZD/USDは0.5854(-0.02%)、NZD/JPYは93.25(-0.05%)とオセアニア通貨はわずかに軟調。リスクオフの流れがオセアニア通貨に売り圧力をかけた。資源輸出国である豪州は原油価格上昇の恩恵を受ける側面もあるが、世界的なリスク回避ムードが重石となった。
見通し: 本日は豪州・NZの主要経済指標発表はなし。リスクセンチメントと原油動向に左右される展開が続く見込み。中東情勢が悪化すればリスクオフで豪ドル・NZドルともに上値が重くなる公算。カナダ雇用統計(21:30 JST)の結果もコモディティ通貨全体の動向に影響する可能性がある。
🥇 ゴールド & 🛢️ 原油
ゴールド: 金(XAU/USD)は5,079.21ドル(-1.87%)と反落。高値5,191ドルから5,055ドルまで下落する場面があった。原油急騰によるポジション調整売りに押されたが、有事の安全資産としての底堅さも維持。中東情勢の悪化が続く限り、金の下値は限定的とみられる。
原油 (WTI): WTI原油先物は95.23ドル(+9.04%)と急騰。米・イランの軍事衝突長期化懸念が買いを呼び、IEAが史上最大規模となる4億バレルの緊急石油備蓄放出を決定したにもかかわらず上昇が止まらなかった。湾岸での機雷敷設報道が供給不安を増幅。スタグフレーション警戒の主因となっている。
🪙 仮想通貨
BTC: ビットコイン(BTC/USD)は70,335ドル(-0.63%)とやや軟調。株式市場のリスクオフ局面に連動する形で上値が重い展開となった。高値70,984ドルから69,175ドルまで下落する場面もあったが、70,000ドルの心理的節目付近で底堅く推移している。
🗓️ 本日発表予定の主要経済指標
| 時刻(JST) | 国 | 指標名 | 前回 | 予想 | 重要度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 08:50 | 🇯🇵 日本 | 国内企業物価指数(前月比) | +0.2% | +0.2% | ★ |
| 16:00 | 🇩🇪 ドイツ | 消費者物価指数(確報)2月 [前月比] | +0.2% | +0.2% | ★★★ |
| 16:00 | 🇬🇧 イギリス | 月次GDP 1月 [前月比] | +0.1% | – | ★★★ |
| 16:00 | 🇬🇧 イギリス | 鉱工業生産指数 1月 [前月比] | -0.9% | – | ★★ |
| 16:00 | 🇬🇧 イギリス | 製造業生産高 1月 [前月比] | -0.5% | – | ★★ |
| 16:00 | 🇬🇧 イギリス | 貿易収支 1月 [貿易収支] | -43.40億ポンド | – | ★★ |
| 19:00 | 🇪🇺 ユーロ圏 | 鉱工業生産指数 1月 [前月比] | -1.4% | – | ★★ |
| 19:00 | 🇪🇺 ユーロ圏 | 鉱工業生産指数 1月 [前年比] | +1.2% | – | ★★ |
| 21:30 | 🇺🇸 米国 | 実質GDP(改定値)Q4 [前期比年率] | +1.4% | – | ★★★ |
| 21:30 | 🇺🇸 米国 | PCE価格指数 1月 [前月比] | +0.4% | – | ★★★ |
| 21:30 | 🇺🇸 米国 | コアPCE価格指数 1月 [前月比] | +0.4% | – | ★★★ |
| 21:30 | 🇺🇸 米国 | 耐久財受注(速報値)1月 [前月比] | -1.4% | – | ★★ |
| 21:30 | 🇨🇦 カナダ | 雇用統計 2月 [雇用者数・前月比] | -2.48万人 | – | ★★★ |
| 21:30 | 🇨🇦 カナダ | 雇用統計 2月 [失業率] | 6.5% | – | ★★★ |
| 23:00 | 🇺🇸 米国 | ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)3月 | 56.6 | – | ★ |
注記:
★★★=重要度高 / ★★=重要度中 / ★=重要度低。時刻はすべてJST(日本標準時)。予想値「-」は掲載時点で予想値なし。市場概況は2026年3月12日(木)の終値ベース。本レポートは情報提供を目的としており、投資判断の根拠とすることはお控えください。
