目次
朝の経済レポート
経済・為替市況 2026年06月12日(金) | 市場動向と経済指標カレンダー
🎯 本日の最重要注目ポイント
- トランプ大統領がイラン攻撃計画を撤回(6/11): 米軍の追加攻撃計画がキャンセルされたと伝わり、地政学リスクが急速に後退。WTI原油は90ドル台から86ドル台へ急落し、米株は急騰(S&P500 +1.75%、ダウ +1.86%、ナスダック +2.54%)。
- 日経平均は大波乱も小幅反発(6/11終値 64,217円): 東京時間は一時1,800円超の急落も後場に買い戻され反発。キオクシアを中心とした半導体株が牽引。本日朝の先物は64,765円(+2.27%)と強含み。
- 本日★★★ 最注目: ミシガン大学消費者信頼感指数(速報)23:00 JST: 前回44.8 → 予想46.0。歴史的低水準が続く中、インフレ懸念(米CPI +4.2%)を反映した消費者心理の動向がリスクセンチメントを左右する。
- 英国4月GDP月次推計・鉱工業生産・製造業生産高(15:00 JST): ONS一括発表。英国経済の底打ち確認となるか注目。鉱工業生産 前月比+0.1%、製造業生産高 前月比-0.2%が予想値。
- 欧州CPI確報(独15:00・仏15:45): ドイツ前年比+2.6%、フランス前年比+2.4%の確認。速報値と変わらない見通しだが、予想外の上振れはECBの追加利上げ観測を強める可能性。
🇺🇸 米国経済・為替
動向: 6月11日(木)NY市場は大幅反発。トランプ大統領がイランへの追加攻撃計画を取り消したと伝わり、地政学リスクが急速に後退した。テクノロジー・工業・素材セクターが主導しS&P500は+1.75%(7,391.54)、ダウは+1.86%(50,848.75ドル、+約930ポイント)、ナスダックは+2.54%と今週最大の上昇幅を記録。一方、エネルギー・生活必需品・不動産株は下落。WTI原油は90ドル台から86ドル台へ急落し、エネルギーセクターの重石となった。為替はドル円159.96円(+0.03%)と小幅動意にとどまった。前日(6/10)発表の5月CPI前年比+4.2%(前月+3.8%から加速、2023年4月以来の高水準)を受けたFRBの年内利上げ観測は維持。21:30に5月PPI・新規失業保険申請件数も発表(6/11深夜)。
見通し: 本日23:00発表のミシガン大学消費者信頼感指数速報(予想46.0、前回44.8)が週末前の最重要指標。予想を上回ればドル円は161円台を試す可能性があるが、依然として指数は歴史的低水準にあり、インフレ懸念(CPI+4.2%→FRB年内利上げ確率高止まり)が消費者心理を圧迫している。イランとの交渉が再び決裂すれば原油高→インフレ加速→利上げ長期化というリスクシナリオが再浮上し、株安・ドル高の複合的な動きとなる点に注意。ドル円は159〜161円のレンジが当面の軸。
🇯🇵 日本経済・為替
動向: 6月11日(木)東京市場は激しい値動き。前日の米国CPI上振れ(+4.2%)と米軍イラン攻撃継続報道を嫌気し、日経平均は一時1,800円超の急落場面も。しかし後場に入ると7万円割れのキオクシアに個人・海外勢の押し目買いが殺到し急速に切り返し、最終的に64,217.27円(+38.04円、+0.06%)と小幅反発で引けた。売買代金は10兆円超と活況。東京エレクトロン・太陽誘電など半導体関連にも買い戻しが波及。ドル円は160.58円前後まで上昇し高値圏で推移。日銀・植田総裁の入院(感染症)に伴う6/15-16会合欠席(8名採決)は引き続き注目材料。日銀6月1.0%利上げ観測は変わらず。
見通し: 本日6/12(金)朝の日経225先物は64,765円(+2.27%)と強含み。前日の米株急騰(S&P500 +1.75%)を追い風に、65,000円台回復を試す動きが見込まれる。ただし週末前のポジション整理や、植田総裁欠席の日銀会合を前にした不確実性から上値追いには慎重な姿勢も出やすい。本日13:30発表の日本鉱工業生産(4月確報)は標準スケジュール外のため除外している点に注意(速報は5月29日発表済み)。ドル円は159〜161円台のレンジを想定。161円接近時は三村財務官の発言(介入回数に制約なし)を受けた介入警戒が上値を抑える。
🇨🇳 中国経済・為替
動向: 6月10日(水)発表の中国5月CPI前年比+1.2%(前月と同水準、予想+1.3%をやや下回る)、5月PPI前年比+3.9%(前月+2.8%から大幅加速)。PPIの加速は中東情勢悪化に伴うエネルギー価格高止まりが主因で、2022年7月以来の高い伸びとなった。上海総合指数は3,993.23(▼16.81)と小幅続落。人民元(CNH)はドル/CNH 6.766前後で安定推移。
見通し: 本日(6/12)の中国発表予定指標はなし(CPI/PPIは6/10に発表済み)。PPI前年比+3.9%の加速は企業コストの上昇を示し、製造業利益を圧迫する方向。一方で輸出物価上昇は国際競争力に影響する両刃の剣。中国当局は引き続き景気刺激策(財政・金融緩和)を維持する姿勢。米中関税摩擦の動向と中国不動産セクターの安定化がドルCNH相場を決する中期的要因。
🇪🇺 ユーロ圏経済・為替
動向: ECBは6月11日の理事会で政策金利を2.00%→2.25%へ0.25pt引き上げる決定を行った(預金ファシリティ金利 2.25%)。ラガルド総裁は「データ依存・会合ごとに判断」スタンスを維持。EUR/USDは1.1580前後と安定推移。独DAXは24,195.31(▼237.75)と米株の強さとは対照的に下落。ドイツ・フランスの5月CPI速報は各々前年比+2.6%・+2.4%で発表済み。
見通し: 本日15:00にドイツCPI確報(前年比+2.6%予想)、15:45にフランスCPI確報(前年比+2.4%予想)が発表される。速報値から変更なしが基本シナリオで、ユーロへの影響は限定的。ただし予想外の上振れが確認されれば追加利上げ観測が強まりユーロ高要因。EUR/USDは1.15〜1.17のレンジを想定。米国との金利差がドル支持要因として残る中、ECBの利上げ継続観測がユーロの下値を支えている。
🇦🇺🇳🇿 オセアニア経済・為替
動向: AUD/USD: 0.7051(+0.02%)、NZD/USD: 0.5837(-0.02%)と小動き。AUD/JPY: 112.80、NZD/JPY: 93.37。RBAは2026年2・3・5月と3回連続利上げを実施しており、現在は様子見モードに移行している見通し。豪ドルは高金利が支えるも、中国経済の鈍化懸念と資源価格の変動が重石。
見通し: 本日07:30にNZのビジネスPMI(前回50.5)が発表予定。拡張・縮小の境目50を上回っており、NZD小幅サポート材料。ただし大きな動意は見込みにくい。豪ドルはWTI原油の下落(エネルギー輸出国として負の影響)と、鉄鉱石・LNG需要(中国からの輸入)のバランスに左右される。AUD/JPYは112〜114円のレンジを想定。
🥇 ゴールド & 🛢️ 原油
ゴールド: 金スポット価格は4,208.87ドル(-0.05%)と4,200ドル台でほぼ横ばい。中東リスク後退(トランプ・イラン攻撃撤回)で売り圧力がかかるも、米CPI+4.2%によるインフレヘッジ需要が下値を支えている。週間では4,200〜4,250ドルのレンジ内で安定推移。米ミシガン大景況感(本日23:00)が低水準を確認すれば、安全資産として再び4,250ドル台を試す可能性がある。
原油 (WTI): WTI原油先物は86.69ドル(-1.33%)。トランプ大統領のイラン追加攻撃計画撤回報道を受け、前日の90ドル台から急落した。今週(6/9-10)の米軍イラン空爆報道による88→93ドル急騰からの調整局面に入っている。OPECプラスの増産計画と米国の戦略石油備蓄動向が下値を探るうえでの鍵。イラン情勢が再緊張化すれば90ドル超えも視野に入る。
🪙 仮想通貨
BTC: ビットコインは63,595ドル(+3.53%)。中東リスク後退とリスク選好改善を背景に6万ドル台を回復し、米国株高とも連動する動き。週間では61,000〜64,000ドルのレンジを上方向に試す展開。本日は週末前の利益確定売りが出やすい局面だが、米ミシガン大景況感(23:00)が予想を上回ればリスクオン継続でさらなる上値を探る展開も。
🗓️ 本日発表予定の主要経済指標
| 時刻 | 国 | 指標名/発言者 | 前回 | 予想 | 重要度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 07:30 | 🇳🇿 | ビジネスPMI(5月) | 50.5 | – | ★★★ |
| 08:50 | 🇯🇵 | 国内企業物価指数[前月比](5月) | 2.3% | 0.8% | ★ |
| 15:00 | 🇬🇧 | 月次GDP[前月比](4月) | +0.7% | +0.2% | ★★★ |
| 15:00 | 🇬🇧 | 鉱工業生産[前月比](4月) | -0.2% | +0.1% | ★★★ |
| 15:00 | 🇬🇧 | 製造業生産高[前月比](4月) | +1.2% | -0.2% | ★★★ |
| 15:00 | 🇬🇧 | 商品貿易収支(4月) | -272億GBP | -225億GBP | ★★ |
| 15:00 | 🇩🇪 | CPI確報[前月比](5月) | -0.2% | -0.2% | ★★ |
| 15:00 | 🇩🇪 | CPI確報[前年比](5月) | +2.6% | +2.6% | ★★ |
| 15:00 | 🇩🇪 | HICP確報[前月比](5月) | -0.1% | -0.1% | ★★ |
| 15:00 | 🇩🇪 | HICP確報[前年比](5月) | +2.7% | +2.7% | ★★ |
| 15:45 | 🇫🇷 | CPI確報[前月比](5月) | +0.1% | +0.1% | ★★★ |
| 15:45 | 🇫🇷 | CPI確報[前年比](5月) | +2.4% | +2.4% | ★★ |
| 15:45 | 🇫🇷 | HICP確報[前月比](5月) | +0.1% | +0.1% | ★★ |
| 15:45 | 🇫🇷 | HICP確報[前年比](5月) | +2.8% | +2.8% | ★★ |
| 23:00 | 🇺🇸 | ミシガン大学消費者信頼感指数(速報・6月) | 44.8 | 46.0 | ★★★ |
注記:
重要度は★★★(最重要)、★★(注目)、★(参考)の3段階。
時刻はすべてJST(日本標準時)。
英国データ(15:00)はONSが月次GDP・鉱工業生産・製造業生産高・貿易収支を一括発表(UK GDP monthly estimate for April 2026、発表確認済)。
独・仏CPI(15:00〜15:45)はいずれも5月分確報値(Destatis・INSEE 6月12日発表確認済)。
除外指標: 中国CPI/PPI(5月分、6月10日発表済み)、米CPI(5月分、6月10日発表済み)、カナダBOC政策金利(6月10日発表済み、2.25%据え置き)。
日本鉱工業生産(前月比)は速報値が5月29日に発表済みで、確報は6月下旬予定のため本日分カレンダーから除外。
