目次
朝の経済レポート
経済・為替市況 2026年08月07日(金) | 市場動向と経済指標カレンダー
🎯 本日の最重要注目ポイント
- 米雇用統計が最大の焦点: 21:30に7月米雇用統計を発表。非農業部門雇用者数は前回5.7万人から8.0万人への持ち直し、失業率は4.2%、平均時給は前月比0.3%が予想されている。結果は米金利、ドル円、金、米国株へ同時に波及する可能性が高い。
- 原油高とインフレ再燃リスク: WTIは8月6日の取引で77.433ドル、前日比4.19%高。ホルムズ海峡を巡る不透明感が続き、80ドル突破なら期待インフレと米長期金利を押し上げ、株安・ドル高・円安の連鎖を招きやすい。
- ドル円は158円台で雇用統計待ち: 8月7日早朝のドル円は158.44円前後。米雇用統計が強ければ159~160円を試す一方、弱い結果なら157円台への反落を想定する。高値圏では日本当局による円安けん制にも注意が必要。
- 欧州では独生産と仏雇用を確認: 15:00のドイツ鉱工業生産、14:30のフランス失業率が欧州景気の温度計となる。独生産の予想超過ならユーロを支えるが、仏失業率の悪化と原油高が重なる場合は景気懸念が優勢になりやすい。
- 中国貿易は豪ドル・NZドルにも波及: 中国7月貿易収支は時刻未定。ドル建て黒字は1070億ドルが予想されており、輸出の底堅さが確認されれば人民元と資源国通貨を支える一方、弱い内容なら豪ドルや中国関連株の下押し要因となる。
🇺🇸 米国経済・為替
動向: 8月6日の米国株は原油高と企業決算の強弱を受けて反落した。S&P500は13.59ポイント安の7,709.96、NYダウは464.02ドル安の53,885.10、ナスダック総合は15.09ポイント安の26,348.35で終了。S&P500は0.2%安、ダウは0.9%安、ナスダックは0.1%安となった。原油上昇がインフレ懸念と米国債利回りを押し上げ、景気敏感株や一部大型株の重荷となった。
見通し: 本日21:30の米雇用統計が相場の方向を決める。非農業部門雇用者数が予想の8.0万人を上回り、平均時給も前月比0.3%以上なら、米金利上昇とドル買いが進み、ドル円は159.00~160.00円、S&P500は7,650~7,750の値動きを想定する。一方、雇用者数が5万人未満または失業率が4.3%以上なら、利上げ観測の後退からドル円は157.00~158.00円へ下落し、金とグロース株が反発しやすい。もっとも、WTIが80ドルを突破する場合は、弱い雇用統計でもインフレ懸念が金利低下を妨げ、株安・ドル高が同時進行するリスクがある。
🇯🇵 日本経済・為替
動向: ドル円は8月7日早朝に158.44円前後まで上昇し、200日移動平均線を意識する展開となった。原油高による日本の交易条件悪化懸念と米金利上昇が円売り材料となる一方、158円台後半では日本当局の円安けん制への警戒が上値を抑えている。ユーロ円は182.65円前後、ポンド円は213.19円前後とクロス円も高水準にある。
見通し: 08:30の家計消費支出が予想の前年比0.9%を上回り、14:00の景気先行指数も116.5を超えれば、国内消費の改善と日銀正常化観測から円が買い戻され、ドル円は157.50~159.00円を中心に推移しやすい。反対に国内指標が弱く、米雇用統計が強ければ159.50円突破から160円台を試す可能性がある。WTIの80ドル超えは輸入物価上昇を通じて日本株の内需・運輸株を圧迫する一方、円安は輸出株を支えるため、株価指数内部の業種間格差が拡大する点にも注意したい。
🇨🇳 中国経済・為替
動向: オフショア人民元は1ドル=6.7484元前後で推移した。中国の6月までの貿易はAI関連部品や自動車を中心に輸出が堅調だった一方、内需の回復力には不透明感が残っている。7月貿易収支の前回値はドル建て1256.2億ドル、人民元建て8590.5億元で、高水準の黒字が人民元の下支えとなってきた。
見通し: 本日発表予定の7月貿易収支でドル建て黒字が予想の1070億ドルを上回り、輸出の底堅さが確認されれば、USD/CNHは6.70~6.75へ低下し、中国株と豪ドルを支えやすい。黒字が大幅に縮小する場合は内外需の減速懸念から6.80方向への人民元安を警戒する。中国輸出の強さは資源需要を通じて豪ドル、銅、アジア株へ波及する一方、対外摩擦の拡大は輸出株の利益見通しを悪化させるリスクとなる。
🇪🇺 ユーロ圏経済・為替
動向: ユーロドルは8月7日早朝に1.1524前後、ユーロ円は182.65円前後で推移した。8月6日の欧州株はまちまちだったが、ドイツDAXは26,001.31付近まで上昇した。フランスでは雇用環境への懸念が残り、ドイツでは製造業の回復持続性が焦点となっている。原油上昇は欧州の輸入インフレを押し上げる一方、企業のコスト負担を強める二面性を持つ。
見通し: 15:00のドイツ鉱工業生産が前月比予想0.2%を上回り、貿易黒字も172億ユーロを超えれば、ユーロドルは1.1550~1.1600を試しやすい。生産がマイナスとなり、14:30のフランス失業率も予想の8.2%を上回る場合は、景気減速懸念から1.1400~1.1500への下落を想定する。米雇用統計が強く米欧金利差が拡大する場合はユーロの上値が抑えられ、原油高が続けば欧州株安、国債利回り上昇、ユーロの方向感不安定化という連鎖が生じる可能性がある。
🇦🇺🇳🇿 オセアニア経済・為替
動向: 豪ドル米ドルは0.7032前後、豪ドル円は111.40円前後で推移した。NZドル米ドルは0.5872前後と前日比0.21%安、NZドル円は93.04円前後だった。本日の豪州とNZには対象時間帯内の主要公式統計発表が見当たらず、中国貿易統計、原油・資源価格、米雇用統計が主な外部材料となる。
見通し: 中国の貿易黒字が予想を上回り、輸出と輸入の双方が底堅ければ、豪ドル米ドルは0.7050~0.7150、NZドル米ドルは0.5900~0.5980を試す余地がある。中国指標が弱く、米雇用統計が強い場合は豪ドルが0.6950、NZドルが0.5800付近まで下押しされるリスクがある。原油や金属価格の上昇は豪州の交易条件を支える一方、世界的なインフレと米金利上昇を通じてリスク資産を圧迫するため、資源高が必ずしも豪ドル高につながらない点に注意したい。
🥇 ゴールド & 🛢️ 原油
ゴールド: 金は8月6日の取引で4,240.69ドル前後、前日比0.15%安。高値4,304.15ドル、安値4,223.47ドルと値幅の大きい展開だった。本日は4,200~4,320ドルを想定し、米雇用統計が弱ければ米金利低下を通じて4,300ドル超えを試しやすい。雇用と賃金が強ければドル高・金利上昇から4,200ドル割れがリスクとなるが、地政学情勢の悪化時には安全資産需要が下値を支える。
原油 (WTI): WTIは77.433ドル、前日比3.112ドル、4.19%上昇した。ホルムズ海峡を巡る供給不安が再燃し、高値は77.668ドルまで上昇。本日は75~80ドルを中心に、船舶攻撃や輸送停滞が拡大すれば80ドル突破から82ドル方向、交渉進展と航行正常化が確認されれば73~75ドルへの反落を想定する。80ドル超えが定着すると、インフレ期待上昇、米金利上昇、株価下落、ドル高・円安というクロスマーケットの連鎖が強まりやすい。
🪙 仮想通貨
BTC: ビットコインは64,473ドル前後、前日比0.42%安。高値65,021ドル、安値64,189ドルと、米雇用統計を控えて方向感を欠いた。本日は62,000~67,000ドルを想定する。弱い雇用統計で米金利とドルが低下すれば67,000ドル突破を試す一方、強い雇用と原油高が重なり米金利が上昇すれば62,000ドル方向への下落リスクがある。ナスダックの下落が加速する場合は暗号資産にもリスク削減売りが波及しやすい。
🗓️ 本日発表予定の主要経済指標
| 時刻 | 国 | 指標名/発言者 | 前回 | 予想 | 重要度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 未定 | 🇨🇳 | 7月貿易収支(人民元建て) | 8590.5億元 | - | ★★ |
| 未定 | 🇨🇳 | 7月貿易収支(ドル建て) | 1256.2億ドル | 1070.0億ドル | ★★ |
| 08:30 | 🇯🇵 | 6月全世帯家計調査・消費支出(前年比) | -0.4% | +0.9% | ★★ |
| 14:00 | 🇯🇵 | 6月景気先行指数(CI・速報値) | 116.5 | 116.5 | ★★ |
| 14:00 | 🇯🇵 | 6月景気一致指数(CI・速報値) | 117.9 | 118.1 | ★ |
| 14:30 | 🇫🇷 | 4-6月期ILO失業率 | 8.1% | 8.2% | ★ |
| 15:00 | 🇩🇪 | 6月鉱工業生産(前月比) | +0.9% | +0.2% | ★★★ |
| 15:00 | 🇩🇪 | 6月鉱工業生産(前年比) | 0.0% | +0.1% | ★★ |
| 15:00 | 🇩🇪 | 6月貿易収支(季節調整済み) | +191億ユーロ | +172億ユーロ | ★★ |
| 15:00 | 🇬🇧 | Lloyds住宅価格指数(旧Halifax、前月比) | +0.2% | +0.2% | ★★★ |
| 15:00 | 🇬🇧 | Lloyds住宅価格指数(旧Halifax、前年比) | +0.6% | - | ★★ |
| 15:45 | 🇫🇷 | 6月貿易収支 | -69.28億ユーロ | - | ★★ |
| 16:00 | 🇨🇭 | 7月SECO消費者信頼感指数 | -35.8 | -34.0 | ★ |
| 21:30 | 🇺🇸 | 7月非農業部門雇用者数(前月比) | +5.7万人 | +8.0万人 | ★★★ |
| 21:30 | 🇺🇸 | 7月失業率 | 4.2% | 4.2% | ★★★ |
| 21:30 | 🇺🇸 | 7月平均時給(前月比) | +0.3% | +0.3% | ★★★ |
| 21:30 | 🇺🇸 | 7月平均時給(前年比) | +3.5% | +3.5% | ★★★ |
| 21:30 | 🇺🇸 | 7月製造業雇用者数 | +3千人 | +3千人 | ★★ |
| 21:30 | 🇨🇦 | 7月新規雇用者数 | +1.82万人 | +2.00万人 | ★★★ |
| 21:30 | 🇨🇦 | 7月失業率 | 6.5% | 6.5% | ★★★ |
| 23:00 | 🇨🇦 | 7月Ivey購買部協会指数 | 56.2 | - | ★ |
| 8/8 04:00 | 🇺🇸 | 6月消費者信用残高 | -1.8億ドル | +120.0億ドル | ★ |
注記:
対象時間帯は2026年8月7日(金)JST 06:00から8月8日(土)05:59まで。重要度は★★★(最重要)、★★(注目)、★(参考)の3段階。発表日と時刻は、米労働統計局、米連邦準備制度理事会、カナダ統計局、総務省統計局、内閣府、ドイツ連邦統計局、フランス国立統計経済研究所、フランス税関、Lloyds、スイス経済省経済事務局、中国海関総署の公表予定、および複数の経済カレンダーで照合した。米国、日本、ドイツ、ユーロ圏、フランス、英国、カナダ、豪州、NZ、中国、スイスを個別確認し、豪州、NZ、ユーロ圏単独の対象指標は確認できなかったため掲載していない。対象外の南アフリカとメキシコの指標、国名が「恐怖指数」となっていた貿易収支、ニュース見出しの誤抽出、日付を確認できない要人発言は除外した。表末尾の1件は日付をまたいだ翌8月8日(土)未明の指標のため、時刻に日付を明記のうえ表の最後に記載した。
