目次
朝の経済レポート
経済・為替市況 2026年08月27日(木) | 市場動向と経済指標カレンダー
🎯 本日の最重要注目ポイント
- 氷見野日銀副総裁の講演: 10:30に埼玉県金融経済懇談会で挨拶します。9月の日銀会合を前に、基調的な物価、円安、追加利上げの条件に関する発言があれば、159円台のドル円と日本国債利回りが敏感に反応する可能性があります。
- 中国工業利益と豪州設備投資: 10:30に中国の1~7月工業企業利益と豪州第2四半期民間設備投資を確認します。中国企業収益の改善と豪州投資の上振れが重なれば、豪ドル、人民元、資源株を支えやすい一方、弱い結果なら中国需要への警戒が商品市場にも波及します。
- ECB理事会議事要旨: 20:30に7月22~23日会合分を公表します。17:00のユーロ圏M3と合わせ、インフレ警戒と景気下支えのどちらを重視しているかが焦点です。タカ派的ならユーロ高・欧州金利上昇、ハト派的ならユーロ売りが想定されます。
- 米国雇用・在庫指標: 21:30の新規失業保険申請件数は20.8万件の予想です。申請件数が予想を下回れば米金利とドルの上昇が続きやすく、増加すれば前日の強めの物価指標を受けた金融引き締め警戒が後退する可能性があります。
🇺🇸 米国経済・為替
動向: 8月26日の米国市場では、7月PCE価格指数が前年比3.7%と市場予想の3.6%を上回り、コアPCEは前月比0.2%、前年比3.3%で予想と一致しました。第2四半期実質GDP改定値は年率1.5%、7月耐久財受注は前月比1.1%でした。米10年債利回りは4.65%へ上昇し、ドル円は159.31円、ユーロドルは1.1651ドルで終了しました。株式市場は様子見が優勢となり、ダウ平均は113.52ドル安の53,463.88ドル、ナスダック総合は21.10ポイント安の26,130.20、S&P500は1.58ポイント安の7,675.70でした。
見通し: ドル円は158.70円~160.00円、S&P500は7,600~7,750を中心レンジとみます。本日21:30の新規失業保険申請件数が20.8万件を下回り、卸売在庫も予想の前月比0.2%以上となれば、景気の底堅さと物価圧力が意識され、米10年債利回りは4.70%方向、ドル円は159.80円~160.00円を試しやすくなります。反対に申請件数が22万件を超え、在庫も弱ければ、米金利低下から159円割れを試す可能性があります。ただし、金利低下が景気不安によるものであれば株高には直結せず、ハイテク株安、金買い、円買いが同時進行するリスクがあります。原油が85ドルを回復すればインフレ再燃懸念が強まり、FRBの引き締め観測を通じて株安・ドル高の連鎖が再開する点にも注意が必要です。
🇯🇵 日本経済・為替
動向: 8月26日の日経平均は前日比405.73円高の66,262.16円、TOPIXは17.35ポイント高の4,111.02で終了しました。半導体関連株を中心に買いが入り、前日の安値からの戻りを継続しました。新発10年国債利回りは2.875%へ低下した一方、ニューヨーク市場では米金利上昇を受けてドル円が159.31円まで戻りました。円安は輸出企業の採算を支えるものの、輸入物価と当局の円安けん制への警戒も残っています。
見通し: 日経平均は65,700円~66,900円、ドル円は158.70円~160.00円を想定します。10:30の氷見野日銀副総裁の講演で、物価上振れや追加利上げに踏み込む発言があれば、日本国債利回り上昇と円買いが進み、ドル円は159円割れ、日経平均は66,000円割れを試す可能性があります。一方、慎重な政策運営を強調すれば円売りが再開し、輸出株主導で66,500円超えを試す展開です。ただし160円接近では政府・日銀のけん制や介入警戒が強まり、輸出株への追い風が急な円高に転じるリスクがあります。米ハイテク株が下落した場合は、円安効果より半導体株安の影響が上回りやすい点にも注意が必要です。
🇨🇳 中国経済・為替
動向: 8月26日の上海総合指数は前日比23.08ポイント高の3,912.52と0.59%上昇しました。上海市場では半導体、電子部品、資源関連株が買われ、景気刺激策への期待も相場を支えました。一方、7月の製造業PMIは49.2と好不況の分岐点である50を下回っており、内需と製造業の自律回復には不透明感が残っています。オフショア人民元は27日朝に1ドル=6.72元前後で推移しました。
見通し: 上海総合は3,860~3,950、ドル人民元は6.68~6.76元を想定します。10:30発表の1~7月工業企業利益が、前回の1~6月累計前年比18.7%増を維持または上回れば、企業収益の改善が確認され、3,930~3,950への上昇と資源国通貨の買いにつながる可能性があります。大幅に鈍化すれば、国内需要と価格転嫁力への懸念から3,900割れを試す展開です。中国企業利益の悪化が銅や原油を押し下げれば、豪ドル安、資源株安、世界的なインフレ期待低下へ波及します。一方、利益改善と人民元高が同時に進めば、アジア株全体のリスク選好を支えるシナリオが見込まれます。
🇪🇺 ユーロ圏経済・為替
動向: 8月26日のユーロドルは1.1651ドル、ユーロ円は185.62円で終了しました。米PCEの上振れと米長期金利上昇を受けてドルが買われ、ユーロは対ドルで軟化しました。フランスやドイツの景況感には弱さが残る一方、物価圧力と中東情勢に伴うエネルギー価格の不確実性が、ECBの政策判断を難しくしています。
見通し: ユーロドルは1.1580~1.1720、ユーロ円は184.50~186.50を想定します。17:00のユーロ圏M3が予想の前年比3.5%を上回り、20:30のECB議事要旨がインフレ警戒を強調すれば、欧州金利上昇からユーロドルは1.1700台を試す可能性があります。M3が3.3%を下回り、議事要旨も景気下振れを重視していれば1.1600割れが視野に入ります。ただし、ECBがタカ派でも米国の雇用指標が強ければ米金利上昇が優勢となり、ユーロ高が限定される可能性があります。原油が再上昇した場合は、欧州の輸入インフレと成長鈍化が同時に進むスタグフレーション型のリスクがユーロの上値を抑えます。
🇦🇺🇳🇿 オセアニア経済・為替
動向: 豪州では8月26日に発表された7月CPIが前年比3.5%と市場予想の3.3%を上回り、インフレの粘着性が示されました。豪ドル米ドルは27日朝に0.7177ドル前後、豪ドル円は114.31円前後でした。NZドル米ドルは0.5946ドル前後、NZドル円は94.71円前後で、豪州の物価上振れを受けた豪ドルの相対的な底堅さが意識されています。
見通し: 豪ドル米ドルは0.7120~0.7240、豪ドル円は113.20円~115.20円、NZドル米ドルは0.5880~0.6010を想定します。10:30の豪州第2四半期民間設備投資が予想の前期比0.8%を上回れば、前日のCPI上振れと合わせてRBAの引き締め長期化観測が強まり、豪ドル米ドルは0.7200超えを試しやすくなります。マイナスに転じれば、設備投資の失速が意識され0.7120方向への下落が想定されます。中国工業利益も強ければ、鉄鉱石や銅の需要期待を通じて豪ドル高が増幅されますが、中国指標が弱い場合は豪州指標の上振れ効果が相殺される可能性があります。NZについては本日の主要指標がなく、豪ドル、中国市場、世界的なリスク選好の影響を受けやすい状況です。
🥇 ゴールド & 🛢️ 原油
ゴールド: 8月26日のCOMEX金先物12月限は前日比41.2ドル安の1トロイオンス=4,653.3ドルで終了しました。米PCEの上振れと米10年債利回りの4.65%への上昇が、利息を生まない金の重しとなりました。本日は4,580~4,720ドルを想定します。米新規失業保険申請件数が予想を上回り、米金利が低下すれば4,700ドル回復を試しやすくなります。一方、雇用指標が強く米10年債利回りが4.70%を超えれば4,600ドル割れが視野に入ります。中東情勢が再び緊迫した場合は、安全資産需要と原油高によるインフレ懸念が重なり、金とドルが同時に上昇するシナリオがあります。
原油 (WTI): 8月26日のWTI原油先物10月限は前日比0.13ドル安の82.23ドルで終了しました。ホルムズ海峡の通航再開に向けたイランとオマーンの協議が供給不安を和らげた一方、地政学的な不確実性が下値を支えました。本日は79.50~85.00ドルを想定します。23:30の米EIA天然ガス在庫が予想の170億立方フィート増を上回れば、エネルギー需給の緩みが意識されやすくなります。WTIが85ドルを明確に超えれば、期待インフレと米金利が上昇し、株安・ドル高・円安へ連鎖する可能性があります。反対に80ドルを割り込めば、輸入国のインフレ負担は軽くなる一方、世界需要の減速懸念から資源株と豪ドルには逆風となります。
🪙 仮想通貨
BTC: 複数市場の8月26日UTC終値では、ビットコインは約78,400ドルでした。米国の現物ビットコインETFには8月24日まで6営業日連続で資金が流入し、8万ドル台を試した後も押し目需要が確認されています。本日は76,500~80,500ドルを想定します。米雇用指標が弱く実質金利が低下すれば80,000ドル回復を試しやすい一方、米10年債利回りが4.70%を超え、株式市場のリスク回避が強まれば77,000ドル割れの可能性があります。ETF流入が継続しても、ハイテク株安とドル高が同時進行する場合は上値が抑えられるため、80,000~81,000ドルの抵抗帯を終値で突破できるかが焦点です。
🗓️ 本日発表予定の主要経済指標
| 時刻 | 国 | 指標名/発言者 | 前回 | 予想 | 重要度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 08:50 | 🇯🇵 | 前週分対外証券投資・中長期債 | 1兆1,351億円 | - | ★ |
| 08:50 | 🇯🇵 | 前週分対内証券投資・株式 | 6,212億円 | - | ★ |
| 10:30 | 🇨🇳 | 1~7月工業企業利益(前年比) | 18.7% | - | ★★ |
| 10:30 | 🇦🇺 | 第2四半期民間設備投資(前期比) | 6.5% | 0.8% | ★★ |
| 10:30 | 🇯🇵 | 氷見野日銀副総裁、埼玉県金融経済懇談会で挨拶 | - | - | ★★★ |
| 15:00 | 🇩🇪 | 9月GfK消費者信頼感調査 | -29.6 | -29.5 | ★★ |
| 15:45 | 🇫🇷 | 7月生産者物価指数(前月比) | -0.6% | - | ★★ |
| 15:45 | 🇫🇷 | 7月生産者物価指数(前年比) | 2.6% | - | ★★ |
| 17:00 | 🇪🇺 | 7月マネーサプライM3(前年比) | 3.3% | 3.5% | ★★★ |
| 20:30 | 🇪🇺 | ECB理事会議事要旨(7月22~23日会合分) | - | - | ★★ |
| 21:30 | 🇺🇸 | 前週分新規失業保険申請件数 | 20.6万件 | 20.8万件 | ★★★ |
| 21:30 | 🇺🇸 | 前週分失業保険継続受給者数 | 179.9万人 | 179.4万人 | ★★ |
| 21:30 | 🇺🇸 | 7月卸売在庫・速報値(前月比) | 0.2% | 0.2% | ★★ |
| 21:30 | 🇺🇸 | 7月財貿易収支・速報値 | -1,014.1億ドル | - | ★ |
| 21:30 | 🇺🇸 | 7月小売在庫・速報値(自動車除く、前月比) | -0.4% | - | ★ |
| 21:30 | 🇨🇦 | 第2四半期経常収支 | -71.8億CAD | 39.0億CAD | ★★ |
| 23:30 | 🇺🇸 | EIA天然ガス貯蔵量変化(前週比) | 160億立方フィート増 | 170億立方フィート増 | ★★ |
| 8/28 00:00 | 🇺🇸 | 8月カンザスシティ連銀製造業活動指数 | 17 | - | ★ |
注記:
掲載対象は2026年08月27日(木)JST 06:00から08月28日(金)JST 05:59までです。重要度は★★★(最重要)、★★(注目)、★(参考)の3段階。米国、日本、ドイツ、ユーロ圏、フランス、英国、カナダ、豪州、NZ、中国、スイスを個別に確認し、発表日と対象時間帯を確認できた指標・発言だけを掲載しています。英国、NZ、スイスについては対象時間帯内の主要な経済指標を確認できませんでした。日本の工作機械受注は、日本工作機械工業会の公表予定で次回の受注確報が9月3日、速報が9月9日となっており、8月27日発表ではないため除外しました。南アフリカのPPIは対象国・地域外のため掲載していません。表末尾の1件は日付をまたいだ翌8月28日(金)未明の指標のため、時刻に日付を明記したうえで表の最後に記載しています。発表日は各国統計局、中央銀行、NIM、INSEE、ECB、米国勢調査局、米労働関連カレンダー、カナダ統計局、EIA、カンザスシティ連銀の公表予定で照合しました。
