朝の経済レポート
経済・為替市況 2026年10月28日(水) | 市場動向と経済指標カレンダー
🎯 本日の最重要注目ポイント
- 豪州CPI: 09:30に9月月次および7~9月期CPIを発表。前年比が予想の4.2%を上回れば追加利上げ観測から豪ドル高、下回れば豪ドル売りが強まりやすい。
- RBNZ政策金利: 10:00の政策判断では2.75%から3.00%への利上げが予想されている。11:00のブレーマン総裁会見で追加利上げが示唆されるかがNZドルの方向を左右する。
- 英国予算・カナダ中銀: 21:30の英国予算案はポンドと英国債、22:45のカナダ中銀政策判断はカナダドルと北米金利の変動要因。財政拡張や利上げ示唆は各国債券利回りを押し上げる可能性がある。
- FOMC: 10月29日03:00に政策金利、03:30にウォーシュFRB議長会見を予定。金利据え置きが中心シナリオだが、12月利上げへの含みがドル、株式、金、暗号資産を同時に動かす最大の焦点となる。
🇺🇸 米国経済・為替
動向: 10月27日の米国株はAI・半導体関連株が主導し、S&P500は7,722.60(前日比+0.60%)、ナスダック総合は26,477.81(+1.18%)、ダウ平均は52,377.57(+0.03%)で終了した。指数は上昇した一方、S&P500構成銘柄では値下がりが優勢で、上昇の裾野は限定的だった。米10年債利回りは4.99%付近、ドル円は157.95円付近で、FOMCを前に金利とドルは高水準を維持した。
見通し: ドル円は157.20~158.50円を中心レンジと想定する。21:30の米卸売在庫が予想の前月比+0.5%を上回り、29日03:00のFOMCが12月利上げに含みを残せば、米金利上昇を通じて158.50円突破を試す可能性がある。ただし158円台後半では日本当局の円安けん制への警戒が上値を抑えやすい。FOMC声明や議長会見がハト派的なら157.20円割れから156円台への反落がリスクシナリオとなる。原油が100ドル台に定着すればインフレ懸念、米金利上昇、グロース株の割高感という連鎖が強まり、AI株主導の上昇が崩れる可能性にも注意したい。
🇯🇵 日本経済・為替
動向: 10月27日の日経平均株価は63,268.37円と前日比1,078.72円(+1.73%)上昇し、4営業日ぶりに反発した。技術セクターの寄与が約1,006円に達し、半導体関連株が上昇の大半を担った一方、TOPIXの上昇率は約0.6%にとどまり、相場の集中度は高かった。ドル円は157円台後半まで円安が進み、輸出関連株を下支えした。
見通し: 日経平均は62,600~64,000円、ドル円は157.20~158.50円を想定する。豪州CPIが上振れしてアジア太平洋地域の金利上昇観測が強まり、米FOMCもタカ派姿勢を維持すれば、円安と半導体株高から64,000円を試しやすい。反対にFOMC後の米金利低下でドル円が157.20円を割れる場合、指数寄与度の大きい半導体株への利益確定売りが日経平均を押し下げる可能性がある。原油が100ドルを明確に上回る局面では、円安による輸入コスト増加が企業利益と家計消費を圧迫し、株高と円安の好循環が崩れる点がリスクとなる。
🇨🇳 中国経済・為替
動向: 10月27日の上海総合指数は約3,650と前日比1.27%下落した。米中金利差や原油高への警戒に加え、景気回復の持続性を見極める動きが重しとなった。オフショア人民元は1ドル=6.665元付近で推移し、急激な人民元安はみられないものの、外部環境に左右されやすい状態が続いた。
見通し: ドル人民元は6.64~6.70元を想定する。本日は中国の主要公式統計が予定されていないため、豪州CPI、FOMC、原油価格が主な外部材料となる。FOMCがタカ派的で米10年債利回りが5%を明確に上回れば、ドル高を通じて6.70元方向への人民元安が進みやすい。一方、FOMCが据え置き後の追加利上げに慎重なら6.64元付近まで人民元が戻る可能性がある。原油高が長期化すると中国企業の投入コスト上昇、利益率低下、株安という連鎖が生じるため、上海総合指数の3,600割れを下振れリスクとして警戒したい。
🇪🇺 ユーロ圏経済・為替
動向: ユーロドルは1.1129付近、ユーロ円は175.78円付近で推移した。米金利の高止まりとフランス財政への警戒がユーロの上値を抑える一方、ドイツの景況感悪化は相当程度織り込まれている。10月28日はドイツGfK消費者信頼感に加え、英国予算案が欧州債券市場の金利形成に影響する。
見通し: ユーロドルは1.1050~1.1200、ユーロ円は174.80~177.00円を想定する。16:00のドイツGfK消費者信頼感が予想の-29.1を上回ればユーロ買い、下回れば1.1100割れを試す展開が考えられる。英国予算が財政規律を重視すれば英国債とユーロ圏国債の利回り上昇圧力が和らぐ一方、大規模な財政拡張策は欧州全体の長期金利を押し上げる可能性がある。FOMCがタカ派的なら米欧金利差から1.1050割れ、ハト派的なら1.1200回復がリスクシナリオとなる。
🇦🇺🇳🇿 オセアニア経済・為替
動向: 豪ドル米ドルは0.7031付近、豪ドル円は111.04円付近、NZドル米ドルは0.5681付近、NZドル円は89.74円付近で推移した。市場は豪州CPIとRBNZ政策判断を前に方向感を抑えている。RBNZの現行政策金利は2.75%で、市場では3.00%への引き上げが中心予想となっている。
見通し: 豪ドル米ドルは0.6950~0.7100、NZドル米ドルは0.5600~0.5780を想定する。09:30の豪州CPI前年比が予想の4.2%を上回れば、RBAの追加利上げ観測から豪ドル米ドルは0.7100、豪ドル円は112円方向を試しやすい。10:00のRBNZが3.00%へ利上げし、11:00の会見でも追加引き締めを示唆すればNZドル米ドルは0.5780方向へ上昇する可能性がある。CPI下振れやRBNZ据え置きは豪ドルとNZドルの同時下落を招きやすく、中国株安や原油高による世界景気懸念が重なれば下限を割り込むリスクがある。
🥇 ゴールド & 🛢️ 原油
ゴールド: 金は1トロイオンス=4,064ドル付近で推移し、4,000ドル台を維持した。FOMC前の持ち高調整と地政学リスクへの備えが交錯している。本日は4,000~4,100ドルを想定し、FOMCがタカ派で米実質金利が上昇すれば4,000ドル割れ、ハト派でドル安が進めば4,100ドル突破が視野に入る。株価急落時には安全資産需要が金を支える一方、流動性確保の換金売りが一時的に強まる可能性もある。
原油 (WTI): WTIは1バレル=99.44ドル付近と100ドルを挟む高値圏で推移した。23:30の米原油在庫は前週の306万バレル減少に対し、小幅増加が予想されている。在庫増なら97~98ドル方向への調整、予想外の減少なら102ドル突破を試す可能性がある。原油が100ドル台に定着するとインフレ期待、主要国の利上げ観測、債券利回り上昇、株式バリュエーション低下という連鎖が強まる点に注意が必要となる。
🪙 仮想通貨
BTC: ビットコインは80,837ドル付近と前日比約0.8%上昇し、8万ドル台を回復した。AI関連株の上昇によるリスク選好が支えとなった一方、米10年債利回りが5%近辺にあるため上値追いは限定的だった。本日は78,000~83,500ドルを想定する。FOMCがハト派で米金利とドルが低下すれば83,500ドル突破、12月利上げを強く示唆すれば78,000ドル割れがリスクとなる。ナスダックの上昇継続は追い風だが、原油高からインフレ懸念が再燃すると金利上昇を介して暗号資産にも売り圧力が波及しやすい。
🗓️ 本日発表予定の主要経済指標
| 時刻 | 国 | 指標名/発言者 | 前回 | 予想 | 重要度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 09:15 | 🇦🇺 | ブロックRBA総裁 講演 | - | - | ★★ |
| 09:30 | 🇦🇺 | 9月消費者物価指数(前月比) | +0.4% | +0.7% | ★★★ |
| 09:30 | 🇦🇺 | 9月消費者物価指数(前年比) | +4.0% | +4.2% | ★★★ |
| 09:30 | 🇦🇺 | 9月トリム平均CPI(前年比) | +3.6% | - | ★★★ |
| 09:30 | 🇦🇺 | 7~9月期消費者物価指数(前期比) | +0.6% | +1.2% | ★★★ |
| 09:30 | 🇦🇺 | 7~9月期消費者物価指数(前年同期比) | +4.0% | +3.9% | ★★ |
| 10:00 | 🇳🇿 | ニュージーランド中銀 政策金利 | 2.75% | 3.00% | ★★★ |
| 11:00 | 🇳🇿 | ブレーマンRBNZ総裁 定例会見 | - | - | ★★★ |
| 16:00 | 🇩🇪 | 11月GfK消費者信頼感調査 | -30.6 | -29.1 | ★★ |
| 18:00 | 🇨🇭 | UBS景気期待指数 | +2.6 | - | ★★ |
| 20:00 | 🇺🇸 | MBA住宅ローン申請指数(前週比) | -5.3% | - | ★ |
| 21:30 | 🇬🇧 | 英国秋季予算案・財政演説 | - | - | ★★★ |
| 21:30 | 🇺🇸 | 9月貿易収支(財・速報値) | - | - | ★★ |
| 21:30 | 🇺🇸 | 9月卸売在庫(速報値・前月比) | +0.5% | +0.5% | ★★ |
| 22:45 | 🇨🇦 | カナダ中銀 政策金利 | 2.25% | 2.25% | ★★★ |
| 23:30 | 🇺🇸 | DOE週間原油在庫(前週比) | -306.0万バレル | +8.1万バレル | ★★ |
| 10/29 03:00 | 🇺🇸 | FOMC政策金利 | 3.75~4.00% | 3.75~4.00% | ★★★ |
| 10/29 03:30 | 🇺🇸 | ウォーシュFRB議長 定例会見 | - | - | ★★★ |
注記:
掲載対象は2026年10月28日(水)JST 06:00から10月29日(木)JST 05:59まで。重要度は★★★(最重要)、★★(注目)、★(参考)の3段階。米国、日本、ドイツ、ユーロ圏、フランス、英国、カナダ、豪州、NZ、中国、スイスを個別に確認し、日本、ユーロ圏、フランス、中国については対象時間帯に掲載対象となる主要指標が確認されなかった。米耐久財受注、リッチモンド連銀製造業指数、新築住宅販売件数は10月27日発表のため除外した。表末尾の2件は日付をまたいだ翌10月29日(木)未明の政策発表および会見のため、時刻に日付を明記したうえで表の最後に記載している。発表時刻と予想値は変更される場合がある。
