朝の経済レポート
経済・為替市況 2026年11月04日(水) | 市場動向と経済指標カレンダー
🎯 本日の最重要注目ポイント
- 米雇用・サービス業: 22:15の米ADP雇用統計は6.6万人、11月5日00:00のISM非製造業景況指数は54.8が市場予想。上振れれば米金利上昇とドル高、下振れればドル円の158円割れを試す展開が想定されます。
- ユーロ圏インフレ: 19:00に10月HICP速報値を発表。前年比予想4.0%と高止まりが見込まれ、上振れ時はECBの引き締め観測からユーロ高となる一方、欧州株には金利上昇が重荷となります。
- 欧米サービス業PMI: フランス、ドイツ、ユーロ圏、英国、米国の10月確報値が相次ぎます。速報値からの修正方向が、景気と物価の組み合わせに対する市場評価を左右します。
- オセアニア: NZの7~9月期失業率は5.7%、雇用者数は前期比0.1%減となり、労働市場の軟化を示しました。前日に利上げした豪州との金融政策格差がAUD/NZDやクロス円の材料になります。
- 原油とインフレ連鎖: WTIは96ドル台で高止まりしています。11月5日00:30の米原油在庫が予想以上に減少すれば、原油100ドル接近、インフレ懸念、米金利上昇、株価の上値抑制という連鎖に注意が必要です。
🇺🇸 米国経済・為替
動向: 11月3日の米国株は、S&P500が7,568.92(前日比0.36%高)、NASDAQ総合が25,372.01(0.83%高)となる一方、NYダウは51,786.72(0.38%安)でした。半導体など大型ハイテク株の反発が指数を支えましたが、値下がり銘柄も多く、相場の内部には慎重さが残りました。米求人件数の上振れと長期金利上昇を受け、ニューヨーク市場のドル円は158円64~74銭まで円安が進みました。
見通し: ドル円は157円80銭~159円50銭を中心レンジと想定します。22:15のADP雇用統計が予想6.6万人を上回り、11月5日00:00のISM非製造業景況指数も54.8超となれば、米10年債利回り上昇を伴って159円台を試しやすくなります。反対にADPがゼロ近辺まで失速し、ISMが53を割れば157円50銭方向への調整がリスクです。原油が100ドルを超える場合は、インフレ再燃から金融引き締め観測が強まり、ドル高と高PER株下落が同時進行する可能性があります。
🇯🇵 日本経済・為替
動向: 11月3日の東京市場は文化の日で休場でした。直近の確定値となる11月2日の日経平均は63,081.86円(前営業日比208.25円安)、TOPIXは3,930.28(34.79ポイント安)です。ドル円が158円台後半まで上昇したことは輸出企業の採算には追い風ですが、米長期金利の上昇は半導体・成長株の評価に逆風となります。
見通し: 休場明けの日経平均は62,500円~64,000円を想定します。米ハイテク株高と円安が続けば63,600円付近の直近高値を上抜け、64,000円を試す可能性があります。一方、米ADPやISMの上振れで米金利が一段高となれば、円安の恩恵よりも高PER株のバリュエーション調整が優勢となり、62,500円割れがリスクになります。原油高が輸入物価、国内インフレ、日銀の追加利上げ観測へ波及する経路にも注意が必要です。
🇨🇳 中国経済・為替
動向: ドル人民元のオフショア相場は6.6739元付近と、ドル高・人民元安方向へ0.42%動きました。中国景気への警戒に加え、米金利上昇によるドル選好が人民元の重荷です。一方、10月RatingDogサービス業PMIの前回値は51.6で、活動拡大を示す50を上回っています。
見通し: USD/CNHは6.64~6.70を想定します。10:45のサービス業PMIが予想51.7を上回り、総合PMIも52台を維持すれば、人民元と豪ドルが買い戻され、資源株にも追い風となります。サービス業PMIが51を割る場合は内需減速への懸念から6.70突破が意識され、豪ドルや銅など中国需要に敏感な市場へ売りが波及する可能性があります。
🇪🇺 ユーロ圏経済・為替
動向: ユーロドルは1.1176付近で0.07%安、ユーロ円は176.86円付近で0.19%高となり、ドル高と円安が交錯しました。10月速報値ではフランスのサービス業PMIが48.4と縮小圏へ低下した一方、ドイツとユーロ圏は51.7で拡大圏を維持しています。9月のユーロ圏HICPは前年比3.8%、コアは2.5%でした。
見通し: ユーロドルは1.1050~1.1250を想定します。17:50以降のPMI確報値が上方修正され、19:00のHICPが予想4.0%を上回れば、ECBの引き締め長期化観測から1.1250突破を試す可能性があります。ただし金利上昇は欧州株と景気敏感株の重荷です。HICPが3.8%以下、PMIも下方修正となれば、景気懸念と金融引き締め観測の後退から1.1100割れがリスクになります。22:20のレーンECB専務理事発言にも注意が必要です。
🇦🇺🇳🇿 オセアニア経済・為替
動向: 豪ドル米ドルは0.6979付近で0.31%安、豪ドル円は110.43円付近で0.09%安でした。豪中銀は11月3日に政策金利を4.60%から4.85%へ引き上げましたが、世界的なドル高とリスク選好の弱さが豪ドルの上値を抑えました。NZでは7~9月期失業率が5.7%へ上昇し、雇用者数は前期比0.1%減となりました。
見通し: AUD/USDは0.6900~0.7050、NZD/USDは0.5550~0.5700、NZD/JPYは88円20銭~90円00銭を想定します。豪州の家計支出が前月から改善し、中国サービス業PMIも51.7を上回れば、豪ドルは0.70台を回復しやすくなります。反対に中国PMIの下振れと原油・株式市場の下落が重なれば、AUD/USDは0.69割れがリスクです。NZの雇用悪化はRBNZの緩和観測を強め、豪州との金利差を通じてAUD/NZD上昇へ波及する可能性があります。
🥇 ゴールド & 🛢️ 原油
ゴールド: 11月3日の金は米金利上昇とドル高を受けて反落し、スポットは3,900ドル台前半、先物は3,940ドル前後で推移しました。本日は3,880~3,980ドルを想定します。米ADPとISMが弱ければ金利低下から3,980ドル、さらに4,000ドル回復が視野に入ります。反対に米指標の上振れで10年債利回りが5%台へ上昇すれば、3,880ドル割れがリスクです。
原油 (WTI): WTI先物は11月3日に96ドル台で取引を終え、急落後も高水準を維持しました。想定レンジは94~100ドルです。11月5日00:30の米原油在庫が予想の53.3万バレル増に反して減少すれば、供給不安と重なって100ドルを再び試す可能性があります。500万バレルを超える大幅増なら94ドル方向への下落がリスクです。原油高はインフレ期待、金利上昇、株式のバリュエーション低下へ波及します。
🪙 仮想通貨
BTC: ビットコインは11月3日におおむね7万7,000ドル台で推移し、株式市場の一部回復にもかかわらず上値の重い展開でした。本日は7万5,000~7万9,000ドルを想定します。米雇用・ISMの下振れで米金利が低下し、NASDAQ高が続けば7万9,000ドル突破が視野に入ります。米指標上振れや原油高による金利上昇、株式市場のリスク回避が重なれば、7万5,000ドル割れから7万3,000ドル方向への下落がリスクです。
🗓️ 本日発表予定の主要経済指標
| 時刻 | 国 | 指標名/発言者 | 前回 | 予想 | 重要度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 06:45 | 🇳🇿 | 7~9月期失業率 | 5.6% | 5.5% | ★★★ |
| 06:45 | 🇳🇿 | 7~9月期雇用者数増減(前期比) | 0.5%(改定0.3%) | 0.4% | ★★★ |
| 08:50 | 🇯🇵 | 10月マネタリーベース(前年比) | -15.2% | -13.6% | ★ |
| 09:00 | 🇳🇿 | ANZ商品価格指数(前月比) | 0.6% | ― | ★★ |
| 09:30 | 🇦🇺 | 7~9月期生活費指数 | 前期比0.5~1.5%上昇 | ― | ★ |
| 09:30 | 🇦🇺 | 9月月次家計支出(前月比) | 0.0% | ― | ★ |
| 10:45 | 🇨🇳 | 10月RatingDogサービス業PMI | 51.6 | 51.7 | ★★ |
| 10:45 | 🇨🇳 | 10月RatingDog総合PMI | 52.4 | 52.4 | ★★ |
| 17:50 | 🇫🇷 | 10月サービス業PMI(確報値) | 51.2 | 48.4 | ★★★ |
| 17:55 | 🇩🇪 | 10月サービス業PMI(確報値) | 52.9 | 51.7 | ★★ |
| 18:00 | 🇪🇺 | 10月サービス業PMI(確報値) | 53.0 | 51.7 | ★★ |
| 18:00 | 🇪🇺 | 10月総合PMI(確報値) | 53.1 | 51.9 | ★★ |
| 18:30 | 🇬🇧 | 10月サービス業PMI(確報値) | 52.1 | 53.1 | ★★ |
| 19:00 | 🇪🇺 | 10月消費者物価指数(HICP・速報値、前月比) | 0.6% | 0.3% | ★★★ |
| 19:00 | 🇪🇺 | 10月消費者物価指数(HICP・速報値、前年比) | 3.8% | 4.0% | ★★★ |
| 19:00 | 🇪🇺 | 10月コアHICP(速報値、前年比) | 2.5% | 2.5% | ★★ |
| 21:00 | 🇺🇸 | MBA住宅ローン申請指数(前週比) | 3.4% | ― | ★ |
| 22:15 | 🇺🇸 | 10月ADP雇用統計 | 9.0万人 | 6.6万人 | ★★★ |
| 22:20 | 🇪🇺 | レーンECB専務理事 発言 | ― | ― | ★ |
| 22:30 | 🇺🇸 | 9月貿易収支 | -1,056億ドル | -1,079億ドル | ★★ |
| 22:30 | 🇨🇦 | 9月国際商品貿易 | 42.0億カナダドル | 50.0億カナダドル | ★★ |
| 23:45 | 🇺🇸 | 10月S&P Globalサービス業PMI(確報値) | 58.8 | 57.9 | ★★ |
| 23:45 | 🇺🇸 | 10月S&P Global総合PMI(確報値) | 58.4 | 57.6 | ★★ |
| 11/5 00:00 | 🇺🇸 | 10月ISM非製造業景況指数 | 54.9 | 54.8 | ★★★ |
| 11/5 00:30 | 🇺🇸 | EIA週間原油在庫(前週比) | -189.2万バレル | 53.3万バレル | ★★ |
注記:
掲載対象は2026年11月04日(水)JST 06:00から11月05日(木)JST 05:59まで。重要度は★★★(最重要)、★★(注目)、★(参考)の3段階。発表日と時刻は各国統計局、中央銀行、S&P Global、ISM、EIA、ADPなどの公表予定と複数の経済指標カレンダーで個別に照合しています。米国、日本、ドイツ、ユーロ圏、フランス、英国、カナダ、豪州、NZ、中国、スイスを個別に確認し、スイスについては対象時間帯内の主要指標を確認できませんでした。米製造業新規受注、耐久財受注確報値、JOLTS求人件数は11月04日00:00 JSTの発表で対象時間帯外のため掲載していません。表末尾の2件は日付をまたいだ11月05日(木)未明の指標のため、日付を明記したうえで表の最後に記載しています。
