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朝の経済レポート
経済・為替市況 2025年08月02日 | 市場動向と経済指標カレンダー
🎯 今週の振り返りと来週の注目ポイント
- 今週の振り返り:日米の金融政策決定会合を通過し、週末の米雇用統計が市場予想を大幅に下回ったことで、景気減速懸念からドルが急落。円相場は一時147円台まで円高が進行しました。株式市場は日米ともに上値の重い展開となりました。
- 来週の注目点① BOE金融政策(8/7):市場は0.25%の利下げを織り込んでいますが、声明や議事録の内容でポンドやユーロが大きく動く可能性があります。
- 来週の注目点② 米長期金利の動向:弱い雇用統計を受け、米長期金利が低下傾向を強めるか注目されます。金利の動向は、ドル円や米国株の方向性を左右する重要な要素です。
🇺🇸 米国経済・為替
今週の動向: 週後半に発表された7月の雇用統計が悪化したことを受け、早期利下げ期待が再燃。長期金利が低下し、ドルは主要通貨に対して下落しました。株式市場は、FOMCでのパウエル議長の慎重な姿勢や、新たな関税措置への懸念から軟調な展開となりました。 S&P500とナスダックは週初に最高値を更新したものの、その後は利益確定売りに押されました。
来週の見通し: 重要な経済指標の発表は少ないですが、企業決算が続きます。来週はFRB高官の発言予定が現時点ではないため、市場は8月下旬のジャクソンホール会議を意識し始める可能性があります。米長期金利の動向と、それを受けたドル相場の動きが焦点となります。
🇯🇵 日本経済・為替
今週の動向: 日銀金融政策決定会合では現状維持が決定され、植田総裁の会見も追加利上げに慎重と受け止められました。これにより週後半にかけて円安が進行しましたが、週末の米雇用統計悪化でドル円が急落。一時147円台まで値を戻しました。日経平均株価は、半導体関連株の業績下方修正が重しとなり、週間で下落しました。
来週の見通し: 企業決算発表がピークを迎えるため、個別銘柄の物色が中心となりそうです。為替市場では、米長期金利の動向を睨みながら、ドル円が145円~150円のレンジで推移するかが注目されます。円高が進行する場合、輸出関連株を中心に日本株の上値を抑える要因となり得ます。
🇨🇳 中国経済・為替
今週の動向: 中国経済の回復ペースの鈍さが引き続き意識されています。不動産市場の低迷や、地方政府の債務問題が懸念材料として残っています。
来週の見通し: 引き続き、中国政府による景気刺激策の動向が注目されます。また、米中間の対立に関するニュースにも注意が必要です。人民元は、ドル安の流れを受けても上値が重い展開が続く可能性があります。
🇪🇺 ユーロ圏経済・為替
今週の動向: 米国の新たな関税措置への警戒感が広がり、欧州株は週後半に下落しました。ECBは先週、利下げサイクルの終了を示唆しており、追加の金融緩和期待が後退しています。ユーロは対ドルで底堅く推移しました。
来週の見通し: 来週はBOE(イングランド銀行)の金融政策発表が最大の注目材料です。市場は利下げを織り込んでいますが、今後の金融政策の方向性を示す声明に注目が集まります。ECB高官の発言予定は今のところありませんが、突発的な発言には注意が必要です。
🇦🇺🇳🇿 オセアニア経済・為替
今週の動向: 豪ドル、NZドルともに、世界経済の減速懸念や中国経済の先行き不透明感が上値を抑える要因となりました。米ドル安の流れを受けても、上昇は限定的でした。
来週の見通し: 中国の経済指標や、コモディティ価格の動向が引き続き豪ドル、NZドルの材料となります。世界的なリスクセンチメントの変化に影響を受けやすい状況が続くとみられます。
🥇 ゴールド & 🛢️ 原油
ゴールド: 週末にかけて価格が上昇。米国の弱い雇用統計を受けて利下げ期待が高まったことや、新たな関税措置への懸念から、安全資産としての金需要が高まりました。一時1オンス3,350ドルを超えるなど、高値圏で推移しています。
原油 (WTI): 週間では下落。世界経済の減速懸念や、米国の新たな関税政策がエネルギー需要を鈍化させるとの懸念が広がり、1バレル67ドル台まで下落しました。
🪙 仮想通貨
BTC: 週後半にかけて下落し、重要なサポートラインと見られていた116,000ドルを割り込みました。短期的な弱気シグナルが点灯しており、来週の相場に不安を残す形となっています。ただし、市場の根底には依然として強気の見方も存在しており、正念場を迎えています。
🗓️ 来週発表予定の主要経済指標
時刻 | 国 | 指標名/発言者 | 前回 | 予想 | 重要度 |
---|---|---|---|---|---|
8/5(月) 16:55 | 🇩🇪 | 7月 サービス業PMI(改定値) | – | – | ★★★☆☆ |
8/5(月) 17:30 | 🇬🇧 | 7月 サービス業PMI(改定値) | – | – | ★★★☆☆ |
8/7(木) 20:00 | 🇬🇧 | BOE政策金利発表 | 4.25% | 4.00% | ★★★★★ |
8/7(木) 20:00 | 🇬🇧 | BOE議事録要旨 | – | – | ★★★★★ |
注記:
来週はFRB、ECBの主要な高官発言は現時点で予定されていません。BOEは8/8(金)に国民向けブリーフィングを予定しています。経済指標は、これら以外にも発表される可能性がありますので、最新の情報にご注意ください。