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ウィークリーレポート
ウィークリーレポート 2025年11月15日(土) | 今週の総括と来週の展望
🎯 来週の最重要注目ポイント
- 【米国】FOMC議事要旨 (11/19): 利下げ期待が後退する中、FRBの金融政策の方向性を探る上で最重要の手がかりとなります。議事要旨の内容がタカ派的であれば、さらなるドル高・株安圧力となる可能性があります。
- 【日本】全国消費者物価指数(CPI) (11/21): 日銀の追加利上げ時期を探る上で注目されます。市場予想を上回る結果となれば、早期利上げ観測が再燃し、円買い要因となる可能性があります。
- 【ユーロ圏】製造業・サービス部門PMI (11/21): ユーロ圏経済の健全性を測る指標として注目されます。特にドイツの数値が弱含むようだと、ユーロ売り圧力が強まる可能性があります。
🇺🇸 米国経済・為替
今週の動向: 週初は政府機関閉鎖解除への期待からドル買いが先行しましたが、FRBの利下げ期待後退とAI関連株の利益確定売りに押され、主要株価指数は週後半に大幅下落しました。ドル円は底堅く推移し、一時155円台を付けました。
来週の見通し: FOMC議事要旨と、政府機関再開に伴い発表が遅れていた経済指標(特に雇用統計)が最大の焦点です。タカ派的な内容が確認されれば、長期金利上昇とドル高が一段と進む可能性があります。株式市場はエヌビディアの決算次第で大きく変動する可能性があり、警戒が必要です。
🇯🇵 日本経済・為替
今週の動向: 日経平均株価はAI関連銘柄が調整する中でも5万円台を維持し、底堅さを見せました。物色の矛先が好業績銘柄全般に広がる一方、ソフトバンクGなど一部の大型株は軟調でした。
来週の見通し: 17日発表の7-9月期GDP速報値と、21日発表の10月全国CPIが注目されます。GDPがマイナス成長となれば景気後退懸念が、CPIが上振れすれば日銀の早期利上げ観測が強まる可能性があります。米国のエヌビディア決算が日本株、特に半導体関連銘柄の動向を左右する重要な要素となります。
🇨🇳 中国経済・為替
今週の動向: 米中首脳会談の合意を受け、レアアース輸出管理措置を暫定停止するなど、関係改善に向けた動きが見られました。一方で、10月の工業生産や小売売上高は1年以上の低水準となり、景気の鈍化が示されました。
来週の見通し: 引き続き米中関係の動向が注視されます。経済指標の発表は少ないですが、当局による景気刺激策への期待が市場を下支えする可能性があります。人民元は、米ドル高の進行次第で上値の重い展開が予想されます。
🇪🇺 ユーロ圏経済・為替
今週の動向: 週初は堅調な企業決算や良好な経済指標を背景に株価が上昇し、Stoxx指数は最高値を更新しました。しかし、週後半にはECB高官のタカ派発言や英中銀の金利据え置きを受け、上昇は一服しました。
来週の見通し: 21日に発表されるフランス、ドイツ、ユーロ圏全体のPMI速報値が最大の注目材料です。景況感の悪化が示されれば、ユーロ売りが加速する可能性があります。19日のユーロ圏CPI改定値や、ラガルドECB総裁の発言も材料視されます。
🇦🇺🇳🇿 オセアニア経済・為替
今週の動向: 豪州の10月失業率が悪化したことで、豪ドルは一時売られましたが、RBAのタカ派姿勢を背景に下値は限定的でした。企業景況感は底堅く推移しています。
来週の見通し: 18日のRBA議事要旨と19日の賃金指数が注目されます。RBAのタカ派姿勢が改めて確認されれば、豪ドルは底堅く推移するでしょう。NZドルは、中国経済の動向や米ドルの値動きに左右される展開が続きそうです。
🥇 ゴールド & 🛢️ 原油
ゴールド: 今週は史上最高値圏から調整し、3,865ドル付近まで下落しました。米ドル高とFRBの金融引き締め長期化懸念が上値を圧迫しています。来週はFOMC議事要旨を受け、方向感を探る展開となりそうです。
原油 (WTI): 供給過剰懸念から週半ばに3週間ぶりの安値を付けましたが、米政府機関再開による需要回復期待から週末にかけて反発しました。来週は、米国の在庫統計やロシア情勢を睨みながらの展開となりそうです。
🪙 仮想通貨
BTC: 今週は大幅下落し、一時96,000ドルを割り込み、過去6ヶ月で最も低い水準を記録しました。FRBの利下げ期待後退によるリスクオフの流れや、長期保有者の利益確定売りが重なりました。来週も金融市場全体のセンチメントに左右される不安定な展開が予想されます。
🗓️ 来週発表予定の主要経済指標
| 時刻 | 国 | 指標名/発言者 | 前回 | 予想 | 重要度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 11/17(月) 08:50 | 🇯🇵 | 7-9月期GDP・速報値 | +2.2% | -2.4% | ★★★ |
| 11/18(火) 09:30 | 🇦🇺 | RBA金融政策会合議事要旨 | - | - | ★★ |
| 11/19(水) 16:00 | 🇬🇧 | 10月消費者物価指数(CPI) | +3.8% | +3.5% | ★★ |
| 11/19(水) 19:00 | 🇪🇺 | 10月消費者物価指数(HICP)改定値 | +2.1% | +2.1% | ★★★ |
| 11/20(木) 04:00 | 🇺🇸 | FOMC議事要旨 | - | - | ★★★ |
| 11/21(金) 08:30 | 🇯🇵 | 10月全国消費者物価指数(CPI) | +2.9% | +3.0% | ★★★ |
| 11/21(金) 17:30 | 🇪🇺 | ラガルドECB総裁、発言 | - | - | ★★ |
| 11/21(金) 18:00 | 🇪🇺 | 11月製造業・サービス部門PMI速報値 | - | - | ★★ |
注記:
来週は米政府機関の再開に伴い、発表が遅れていた経済指標が不規則な日程で公表される可能性があります。また、FRB高官の発言機会も増える可能性があり、市場が神経質に反応する場面が想定されます。