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朝の経済レポート
経済・為替市況 2025年11月03日(月) | 市場動向と経済指標カレンダー
🎯 本日の最重要注目ポイント
- 日経平均株価が史上最高値を更新!AI・半導体関連株と日米投資合意が市場を牽引。
 - ドル円が154円台に上昇、日米金融政策の方向性の違いが鮮明に。
 - 金価格が史上最高値を更新、地政学的リスクと安全資産需要が高まる。
 
🇺🇸 米国経済・為替
動向: 11月1日の米国市場は、主要株価指数が上昇し、特にテクノロジー株が市場を牽引しました。アマゾン株が急騰し、市場全体を押し上げました。米連邦公開市場委員会(FOMC)委員からは利下げに慎重な意見が聞かれましたが、市場は12月の利下げを約60%の確率で織り込んでいました。米国政府機関の一部閉鎖が続き、重要経済指標の発表が延期される見込みでした。原油価格はベネズエラへの軍事行動懸念から3日続伸しましたが、金価格はドル高とFRBの利下げ慎重姿勢を受けて反落しました。
見通し: 11月はS&P 500にとって歴史的に上昇率が高い月であり、今後の市場への期待が高まっています。ただし、政府機関閉鎖の長期化や米中貿易摩擦の動向が引き続き注目されます。
🇯🇵 日本経済・為替
動向: 11月1日時点の日本市場は、前週からの強い上昇トレンドを引き継ぎ、日経平均株価が史上最高値を更新する活況を呈しました。AI・半導体関連株への強い買い、トランプ米大統領の来日と日米首脳会談での投資合意、FRBの利下げ決定、そしてドル円の154円台への円安進行が市場を牽引しました。日本銀行は10月30日の金融政策決定会合で、政策金利を0.5%で6会合連続の据え置きを決定しました。
見通し: 急激な株価上昇に対し、一部では過熱感や「好材料出尽くし感」も指摘されています。12月初旬に予定されている日本の税制大綱における金融増税の議論や、米政府機関閉鎖の可能性が今後の市場の不確実性を高める要因となる可能性があります。
🇨🇳 中国経済・為替
動向: 2025年11月1日、中国は2026年11月に深圳市でAPEC首脳会議を開催すると発表し、デジタル経済やAI分野での協力を推進する姿勢を示しました。また、消費喚起を目的とした免税店政策の改善を実施。米国との間では、一部の輸出規制と関税を1年間停止することで一時的に合意し、貿易関係の一時的な緩和が見られました。神舟21号有人宇宙船が宇宙ステーションへのドッキングに成功しました。人民元は対米ドルで安定的に推移しました。
見通し: APEC首脳会議の開催や免税店政策の改善は、中国経済の活性化に寄与すると期待されます。米中貿易関係の一時的な緩和は市場に好影響を与える可能性がありますが、長期的な関係性には引き続き注目が必要です。
🇪🇺 ユーロ圏経済・為替
動向: 10月31日の欧州主要株式市場は、ドイツIFO経済研究所の報告による警戒感から軒並み下落しました。為替市場では、円とドルが強含み、ユーロは対円、対ドルで軟調に推移しました。欧州中央銀行(ECB)は3会合連続で金利を据え置きましたが、米国の利下げ慎重姿勢によりドルが買い戻され、ユーロドルは調整局面に入りました。
見通し: ECBの金融政策は据え置きが続く可能性が高いものの、米国の金融政策動向や地政学的リスクがユーロ圏経済および為替に影響を与える可能性があります。今後の経済指標や要人発言に注目が集まります。
🇦🇺🇳🇿 オセアニア経済・為替
動向: 2025年11月1日、オーストラリアとカナダは重要鉱物の共同投資協定に合意し、サプライチェーン強化を目指します。オーストラリアは11月から月次CPIデータの公表を開始し、RBAの金融政策理事会が11月4日に予定されています。Q3 CPIがRBA目標を上回ったため、政策金利は据え置かれる可能性が高いと見られています。AUD/JPYは100円台で推移しました。
見通し: RBAの金融政策理事会の声明内容が注目されます。月次CPIデータの開始は、今後の金融政策決定に影響を与える可能性があります。重要鉱物協定は長期的な経済成長に寄与するでしょう。
🥇 ゴールド & 🛢️ 原油
ゴールド: 11月1日の金価格は、田中貴金属工業の店頭小売価格で1グラムあたり21,890円でした。2025年を通じて大幅な上昇傾向にあり、年初来で約50%の上昇を記録。地政学的リスクの高まり、円安の進行、安全資産としての金需要の増加、FRBの利下げ観測や各国中央銀行による金購入の増加が価格を押し上げています。
原油 (WTI): 11月1日のWTI原油価格は、前日比0.41ドル高の1バレルあたり60.98ドルで取引を終え、3日続伸しました。米国のベネズエラへの軍事行動懸念による供給不安が意識されました。OPECプラスは11月2日の会合で、12月の生産目標を日量13万7000バレル拡大することで合意する見込みと報じられています。
🪙 仮想通貨
BTC: 11月1日のビットコイン(BTC)価格は、概ね109,000ドルから110,000ドルの間で推移しました。10月は2018年以来初めて月間終値で下落を記録しましたが、歴史的に11月はビットコインにとって強い月であるため、市場では回復への期待も存在しました。機関投資家からの強い需要とビットコインETFへの資金流入が価格を支える一方で、貿易摩擦が市場の重しとなりました。
🗓️ 本日発表予定の主要経済指標 (完全版)
| 時刻 | 国 | 指標名/発言者 | 前回 | 予想 | 重要度 | 
|---|---|---|---|---|---|
| 09:30 | 🇦🇺 | 9月 住宅建設許可件数 (前月比) | -6.0% | 5.0% | ★★☆☆☆ | 
| 10:45 | 🇨🇳 | 10月 Caixin 製造業PMI | 51.2 | 50.7 | ★★☆☆☆ | 
| 17:50 | 🇪🇺 | シムクス・リトアニア中銀総裁 発言 | - | - | ★★★☆☆ | 
| 17:50 | 🇫🇷 | 10月 製造業PMI (改定値) | 48.3 | 48.3 | ★★☆☆☆ | 
| 17:55 | 🇩🇪 | 10月 製造業PMI (改定値) | 49.6 | 49.6 | ★★☆☆☆ | 
| 18:00 | 🇪🇺 | 10月 製造業PMI (改定値) | 50.0 | 50.0 | ★★☆☆☆ | 
| 18:30 | 🇬🇧 | 10月 製造業PMI (改定値) | 49.6 | 49.6 | ★★☆☆☆ | 
| 23:45 | 🇺🇸 | 10月 製造業PMI (改定値) | 52.2 | 52.2 | ★★☆☆☆ | 
| 00:00 | 🇺🇸 | 10月 ISM製造業景況指数 | 49.1 | 49.4 | ★★★☆☆ | 
| 02:00 | 🇺🇸 | デイリーSF連銀総裁 発言 | - | - | ★★★☆☆ | 
        注記:
本日の経済指標・要人発言リストです。デイリーSF連銀総裁は今年のFOMC投票権を持っていません。