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朝の経済レポート
経済・為替市況 2025年11月07日(金) | 市場動向と経済指標カレンダー
🎯 本日の最重要注目ポイント
- 米10月雇用統計の発表を控え、市場は様子見ムード。
- BOEは金利を据え置くも、利下げ票が4人入り12月利下げ期待が高まる。
- 米チャレンジャー人員削減数の大幅増でドル売り優勢、ドル円は152円台まで下落。
🇺🇸 米国経済・為替
動向: 11月6日の米国市場は、10月のチャレンジャー人員削減数が大幅に増加したことを受け、年内の利下げ観測が再燃。長期金利の低下とともにドル売りが優勢となり、ドル円は152円台まで下落しました。トランプ関税を巡る訴訟や政府機関閉鎖の長期化もドルの重しとなりました。
見通し: 本日発表される10月の雇用統計が最大の注目材料です。非農業部門雇用者数や失業率、平均時給の結果が、今後のFRBの金融政策の方向性を占う上で重要な手がかりとなり、相場が大きく変動する可能性があります。
🇯🇵 日本経済・為替
動向: 11月6日の東京市場では、日経平均株価が大幅下落。米国の長期金利低下やハイテク株安の流れを引き継ぎ、リスク回避の円買いが進みました。三村財務官からは、最近の円の動きがファンダメンタルズから乖離しているとの発言もありました。
見通し: 米雇用統計の結果を受けたドル円の動きが、週明けの日本市場の方向性を大きく左右する見込みです。円高がさらに進むようであれば、輸出関連企業を中心に株価への下押し圧力が強まる可能性があります。
🇨🇳 中国経済・為替
動向: 中国人民銀行は11月6日、人民元中心レートをわずかに元高ドル安に設定しました。オフショア人民元は7.12元台後半で推移しています。10月のサービス業PMIは市場予想を上回ったものの、3ヶ月ぶりの低水準となるなど、経済のまだら模様が続いています。
見通し: 本日発表予定の10月貿易収支が注目されます。輸出入の動向が、中国経済の現状と世界経済への影響を測る上で重要な指標となります。
🇪🇺 ユーロ圏経済・為替
動向: イングランド銀行(BOE)は政策金利を4.00%に据え置きましたが、MPCメンバー9人のうち4人が利下げを主張し、市場の12月利下げ期待が高まりました。ECBのシュナーベル専務理事は量的緩和の再開に慎重な姿勢を示した一方、デギンドス副総裁は経済成長に楽観的な見方を示しました。
見通し: BOEのハト派的な姿勢を受けてポンドが売られました。ECB内でも金融政策に対する見解が分かれており、今後のインフレ指標や経済データが、各国の金融政策の方向性を決定づける上で重要となります。
🇦🇺🇳🇿 オセアニア経済・為替
動向: RBAがインフレへの警戒感からタカ派姿勢を維持していることが、豪ドルの下支え要因となっています。豪ドル/円は100円台を維持し、底堅く推移しています。一方、豪ドル/米ドルは、米ドル高の圧力に直面しています。
見通し: 今後の米国の金融政策動向が、豪ドルの対米ドルでの動きに大きく影響しそうです。日本の金融政策の方向性も、豪ドル/円の変動要因として注目されます。
🥇 ゴールド & 🛢️ 原油
ゴールド: 米ドル安と経済の不確実性を背景に、金価格は1オンス4000ドル近くまで回復しました。米政府機関の閉鎖や地政学リスクの高まりが、安全資産としての金需要を支えています。
原油 (WTI): WTI原油価格は1バレル59ドル台で下落傾向にあります。米国の原油在庫増加や供給過剰懸念が価格の重しとなっています。
🪙 仮想通貨
BTC: ビットコインは10万ドル台前半で取引されており、調整局面が続いています。市場心理は「極度の恐怖」を示しており、FRBのタカ派姿勢やハイテク株との相関関係が価格に影響を与えています。
🗓️ 本日発表予定の主要経済指標 (完全版)
| 時刻 | 国 | 指標名/発言者 | 前回 | 予想 | 重要度 |
|---|---|---|---|---|---|
| --:-- | 🇨🇳 | 10月貿易収支(米ドル) | 904.5億ドル | 956.0億ドル | ★★ |
| --:-- | 🇨🇳 | 10月貿易収支(人民元) | 6454.7億元 | - | ★★ |
| 08:30 | 🇯🇵 | 9月全世帯家計調査・消費支出(前年同月比) | 2.3% | 2.5% | ★ |
| 08:50 | 🇯🇵 | 前週分対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債) | -3514億円 | - | ★ |
| 08:50 | 🇯🇵 | 前週分対外対内証券売買契約等の状況(対内株式) | 1兆3442億円 | - | ★ |
| 16:00 | 🇩🇪 | 9月貿易収支 | 172億ユーロ | 168億ユーロ | ★ |
| 16:45 | 🇫🇷 | 9月貿易収支 | -55.29億ユーロ | - | ★ |
| 16:45 | 🇫🇷 | 9月経常収支 | 15億ユーロ | - | ★ |
| 17:00 | 🇨🇭 | 10月スイスSECO消費者信頼感指数 | -36.5 | -35.0 | ★ |
| 21:00 | 🇲🇽 | 10月消費者物価指数(CPI)(前年同月比) | 3.76% | 3.56% | ★★ |
| 22:30 | 🇺🇸 | 10月非農業部門雇用者数変化(前月比) | - | - | ★★★★★ |
| 22:30 | 🇺🇸 | 10月失業率 | - | - | ★★★★★ |
| 22:30 | 🇺🇸 | 10月平均時給(前月比) | - | - | ★★★★★ |
| 22:30 | 🇨🇦 | 10月失業率 | 7.1% | 7.1% | ★★★ |
| 22:30 | 🇨🇦 | 10月新規雇用者数 | 6.04万人 | -0.25万人 | ★★★ |
| 24:00 | 🇺🇸 | 11月ミシガン大学消費者態度指数・速報値 | 53.6 | 53.2 | ★★ |
| 29:00 | 🇺🇸 | 9月消費者信用残高(前月比) | 3.6億ドル | 100.0億ドル | ★ |
注記:
本日発表の米雇用統計は、今後の金融政策を占う上で最も重要な経済指標の一つです。市場予想との乖離が大きい場合、相場が大きく変動する可能性があるため、特に注意が必要です。