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朝の経済レポート
経済・為替市況 2025年10月15日(水) | 市場動向と経済指標カレンダー
🎯 本日の最重要注目ポイント
- 中国の物価指数 (10:30): デフレ懸念がくすぶる中、中国の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)は、同国経済の現状と世界経済への影響を判断する上で極めて重要です。
- 米国の経済指標 (21:30以降): パウエルFRB議長の直近の慎重な発言を受け、ニューヨーク連銀製造業景気指数や地区連銀経済報告(ベージュブック)は、米国経済の健全性を測るための重要な指標となります。
- 各国中央銀行の発言: RBAのハンター総裁補佐(8:30)やECBのデギンドス副総裁(16:40)の発言は、各国の金融政策の方向性を探る上で見逃せません。
🇺🇸 米国経済・為替
動向: 14日の市場はダウが続伸した一方、ナスダックは下落とまちまちな展開。トランプ大統領の対中関税100%上乗せ発言でリスクオフが強まるも、その後の姿勢軟化や、パウエルFRB議長の利下げを示唆する発言が下支えとなり、方向感に欠ける展開となりました。
見通し: 引き続き米中貿易摩擦に関する報道に神経質な展開が予想されます。本日発表のNY連銀製造業景気指数やベージュブックで経済の現状を見極めたいとする様子見ムードが強まりそうです。
🇯🇵 日本経済・為替
動向: 14日の日経平均は大幅続落し、2.58%安の46,847円と節目の47,000円を割り込みました。公明党の連立離脱表明による国内政局の不透明感と、米中対立の再燃懸念が重しとなり、リスク回避の円買いが進行。ドル円は151円台後半まで下落しました。
見通し: 国内政局と円相場の動向に引き続き左右される展開となりそうです。「高市トレード」の巻き戻しが続く可能性があり、上値の重い展開が予想されます。本日の鉱工業生産確報値が国内経済の判断材料として注目されます。
🇨🇳 中国経済・為替
動向: 経済は内需を中心に弱い動きが継続しており、特に不動産市場の不振が深刻です。米中関係の緊張を背景に人民元は対ドルで7.13台と上値の重い展開が続いています。
見通し: 本日発表のCPI・PPIが最大の焦点です。市場予想を下回りデフレ懸念がさらに強まる結果となれば、人民元への下押し圧力が一層強まる可能性があります。
🇪🇺 ユーロ圏経済・為替
動向: 14日の欧州株は世界的なリスク回避ムードに押され総じて下落しました。一方でユーロドルは、ラガルド総裁の「政策は良い位置にある」との発言や、フランスの年金改革停止の報道を受け、1.16ドル台へ上昇するなど底堅さを見せました。
見通し: 本日はユーロ圏鉱工業生産やZEW景況感指数が経済の温度感を測る上で注目されます。デギンドスECB副総裁の講演内容が、今後の金融政策の手がかりとして精査されるでしょう。
🇦🇺🇳🇿 オセアニア経済・為替
動向: 豪ドルは、米中貿易摩擦の再燃懸念から、中国経済との結びつきの強さが嫌気され、対米ドルで8月以来の安値水準まで売られました。RBA議事要旨では、今後の利下げに慎重な姿勢が示されました。
見通し: 本日のハンターRBA総裁補佐の講演が最大の注目材料です。インフレや経済成長に対する見解が今後の政策を占う上で重要となります。また、中国の物価指数にも敏感に反応することが予想されます。
🥇 ゴールド & 🛢️ 原油
ゴールド: 米中摩擦や米政局の不透明感を背景に安全資産として買われ、国内小売価格は1グラム22,000円を突破し過去最高値を更新。国際価格も1オンス4,140ドルの新記録を付け、強い上昇基調にあります。
原油 (WTI): IEAによる供給過剰予測や米中摩擦による需要減退懸念から売りが優勢となり、1バレル59ドル前後と5ヶ月ぶりの安値水準まで下落しました。
🪙 仮想通貨
BTC: 米中関係のニュースに揺さぶられ乱高下しつつも、1700万円台で底堅く推移。ブラックロックのETFへの継続的な資金流入や、取引所におけるBTC保有量の低下が供給を引き締め、価格の下支え要因となっています。
🗓️ 本日発表予定の主要経済指標 (完全版)
時刻 | 国 | 指標名/発言者 | 前回 | 予想 | 重要度 |
---|---|---|---|---|---|
08:30 | 🇦🇺 | Westpac先行指数 (9月) | -0.04% | - | ★★☆☆☆ |
08:30 | 🇦🇺 | ハンターRBA総裁補佐 発言 | - | - | ★★★★☆ |
09:30 | 🇦🇺 | NAB企業景況感指数 (9月) | - | - | ★★★☆☆ |
10:30 | 🇨🇳 | CPI (前年比) (9月) | -0.4% | -0.2% | ★★★★★ |
10:30 | 🇨🇳 | PPI (前年比) (9月) | -2.9% | -2.3% | ★★★★☆ |
13:30 | 🇯🇵 | 鉱工業生産 (確報値) (8月) | -1.2% | -1.2% | ★★★☆☆ |
15:00 | 🇩🇪 | 卸売物価指数 (WPI) (9月) | - | - | ★★☆☆☆ |
15:45 | 🇫🇷 | CPI (改定値) (9月) | +1.2% | +1.2% | ★★★☆☆ |
16:40 | 🇪🇺 | デギンドスECB副総裁 発言 | - | - | ★★★★☆ |
18:00 | 🇪🇺 | 鉱工業生産 (8月) | +0.3% | -1.5% | ★★★☆☆ |
18:00 | 🇪🇺 | ZEW景況感調査 (10月) | 22.7 | 26.1 | ★★★☆☆ |
21:30 | 🇺🇸 | NY連銀製造業景気指数 (10月) | -8.7 | -1.9 | ★★★★☆ |
翌3:00 | 🇺🇸 | 地区連銀経済報告 (ベージュブック) | - | - | ★★★★☆ |
注記:
FRB理事は連邦公開市場委員会(FOMC)で常に投票権を有します。なお、10月15日に予定されていた米消費者物価指数(CPI)は24日に延期されています。