朝の経済レポート

経済・為替市況 2025年12月24日(水) | 市場動向と経済指標カレンダー

🎯 本日の最重要注目ポイント

• クリスマス・イブに伴う市場の短縮取引と流動性低下: 本日はクリスマス・イブのため、米国市場は日本時間27時に短縮取引で閉場します。香港や英国なども休場や短縮となるため、市場参加者が激減し、予期せぬ急変動が発生しやすい「薄商い」の状態に警戒が必要です。
• 片山財務相による円安牽制発言と介入への警戒感: 昨日の東京市場で片山財務相が「行き過ぎた動きには対応を取る」と発言したことで、ドル円は157円近辺から156円台前半へ押し戻されました。実需の円売りが続く中でも、当局による実弾介入への警戒感が上値を抑える要因となっています。
• 史上最高値を更新する金価格と9万ドルを回復したビットコイン: 米経済の底堅さと地政学リスクの高止まりを背景に、金価格が1gあたり2万4800円超、スポット価格で4460ドル台と史上最高値を更新しています。ビットコインも9万ドル台を回復しており、実物資産や代替資産への資金流入が加速しています。

🇺🇸 米国経済・為替

動向: 2025年12月23日の米国市場は、主要3指数が揃って3日続伸しました。NYダウは79.73ドル高の48,442.41ドル、ナスダックは133.01ポイント高の23,561.84で引けました。延期されていた第3四半期GDPが予想を上回り、経済の底堅さが再確認されたことが追い風となりました。個別ではエヌビディアが対中輸出向けの新型AI半導体報道を受けて上昇し、ハイテク株全般を牽引しました。一方で、消費者信頼感指数が予想を下回ったことで、過度な利下げ期待後退に一定のブレーキがかかる形となりました。

見通し: 本日はクリスマス・イブによる短縮取引（日本時間27時まで）となるため、大きなトレンドは出にくいと見られます。ただし、取引終了にかけてのポジション調整や、薄商いの中での突発的な動きには注意が必要です。ドル円は昨日の牽制発言を受けて156円台で足場を固める動きを予想します。

🇯🇵 日本経済・為替

動向: 2025年12月23日の日経平均株価は、前日比10円高の50,412円と小幅ながら3日続伸しました。米株高を受けて買い先行で始まりましたが、5万円台の大台を超えた達成感からの利益確定売りや、急速な円高進行が重石となりました。為替市場では、片山財務相が現在の円安について「ファンダメンタルズを反映しているとは思えない」と強く牽制したことをきっかけに、ドル円が156.28円まで下落しました。介入への実効性が意識される展開となっています。

見通し: 海外市場が休場モードに入るため、日本市場も方向感に欠ける展開が予想されます。本朝発表の企業向けサービス価格指数や日銀議事要旨の内容を受けて、金融政策の正常化期待がどこまで高まるかが焦点となります。輸出企業による年末の決済需要と、介入警戒感の板挟みによるレンジ相場が続く見込みです。

🇨🇳 中国経済・為替

動向: 2025年の中国経済は、実質成長率が4.9%程度と政府目標の「5%前後」を僅かに下回る見通しです。トランプ次期政権による関税懸念は根強いものの、国内での家電・自動車買い替え補助金が一定の下支えとなりました。為替面では人民元安圧力が続いていますが、当局による防衛的な動きも見られます。上海市場は景気刺激策への期待と、デフレ圧力への懸念が交錯し、上値の重い展開が続いています。

見通し: 2026年に向けた減速予測が強まる中、追加の財政出動への期待が市場の関心事です。クリスマス休暇による海外資金の動きが止まるため、当面は内需関連のニュースに反応する小動きが続くと見られます。

🇪🇺 ユーロ圏経済・為替

動向: 23日の欧州市場は、米株高の流れを引き継ぎ小高く推移しました。ユーロドルはドル売りの流れに乗って1.18ドル台を回復する場面もありました。一方で、ドイツの景気低迷や労働コストの上昇が重石となっており、景況感の劇的な改善は見られません。在欧日系企業の黒字見通しも減少傾向にあり、先行きの不透明感が漂っています。

見通し: 主要国が明日からクリスマス休暇に入るため、本日はポジション調整主体の動きに限定されるでしょう。欧州委員会による来年の成長予測の下方修正が意識されており、ユーロの戻りは限定的と見られます。

🇦🇺🇳🇿 オセアニア経済・為替

動向: 豪ドルはドル安の流れとコモディティ価格の上昇を支えに底堅く推移しています。オーストラリア準備銀行（RBA）が2026年2月にも利上げを行うとの予測が一部銀行から出ており、他の中銀が利下げ姿勢を強める中で「タカ派」的な立ち位置が豪ドルを下支えしています。豪ドル円は102円台を目指す強含みの展開となりました。

見通し: 原油や金といった資源価格の上昇は豪ドルにとってプラス要因です。ただし、クリスマスからボクシングデーにかけての休場が控えているため、本日は積極的な売買は手控えられやすい状況です。

🥇 ゴールド & 🛢️ 原油

ゴールド: 23日の金価格は史上最高値を更新しました。米金利の先安感と地政学リスクに加え、円安を背景とした国内価格も1gあたり2万4800円超、スポット価格で4460ドル台に達しました。資産保全としての需要が極めて強く、節目の4500ドルを視野に入れた強気相場が続いています。

原油 (WTI): WTI原油先物は1バレル＝58ドル台へ続伸しました。ロシア・ウクライナ情勢に加え、ベネズエラ関連の地政学リスクが供給懸念を誘っています。冬場の需要期を迎え、下値の堅い展開が続いていますが、休暇前の利益確定売りによる調整も想定されます。

🪙 仮想通貨

BTC: ビットコイン価格は9万ドル台を回復し、一時90,500ドルを突破しました。マイクロストラテジー社による追加購入準備の報道や、貴金属市場の活況に伴う「代替資産」への資金流入がポジティブに作用しています。年末に向けた10万ドル突破への期待が再燃しています。

🗓️ 本日発表予定の主要経済指標 (完全版)

注記:
本日はクリスマス・イブのため、米国債券市場・株式市場は日本時間27時（翌午前3時）に早期閉場します。流動性の低下によるスプレッドの拡大や急変動にご注意ください。