目次
朝の経済レポート
経済・為替市況 2026年06月09日(火) | 市場動向と経済指標カレンダー
🎯 本日の最重要注目ポイント
- 米5月雇用統計ショック: 先週金曜(6/5)発表の非農業部門雇用者数は+17.2万人(予想+8.8万人)と予想の約2倍。前2カ月分も+9.3万人上方修正。FRBの年内利上げ確率が12月FOMCで72%まで上昇し、株式市場は金曜に急落後、月曜(6/8)に半導体株主導で部分反発。
- 日経平均3日続落: 6月8日(月)は-2,563円(-3.83%)の64,024円で引け(今年2番目の下落幅)。先週水曜の史上最高値68,402円から急反落。米国ではナスダックが+0.9%と反発しており、本日の東京市場は自律反発が期待される展開。
- イラン・イスラエル紛争リスク再燃: 週末にイスラエルがイランのマフシャール地区石油化学コンプレックスを攻撃。ブレント原油が一時+2%超となるも、トランプ大統領の停戦維持宣言で上値を抑制。原油高→インフレ再燃→FRB利上げ加速の二次的ショックリスクを注視。
- 本日の主要イベント3本柱: ①15:00 ドイツ鉱工業生産(★★★・予想+0.2%)②21:30 米貿易収支(★★★・予想-565億ドル)③23:00 米中古住宅販売(★★★・予想406万件)。結果次第でドル円・ユーロ円が大きく動く可能性。
🇺🇸 米国経済・為替
動向: 6月8日(月)の米国株は、金曜急落(S&P500 -2.6%・今年最大)から部分的に回復。S&P500 +0.3%(7,405.73)、ナスダック +0.9%(25,929.66)でAI・半導体株が反発を主導(SOX指数+5.6%)。ダウは-0.2%(50,786.01)と小幅下落。5月雇用統計(NFP +17.2万人・失業率4.3%・平均時給+3.4%)を受けたFRBの年内利上げ観測が上値を抑制する中、半導体株の自律反発が相場を支えた。ドル円は160.163円(+0.022・+0.01%)と底堅い動き。
見通し: ドル円は159.60〜160.80円のレンジを想定。本日21:30の米貿易収支(予想-565億ドル、前回-603億ドル)が赤字縮小なら景気強さを示しドル高圧力が続く。23:00の中古住宅販売(予想406万件、前回402万件)が予想超えならリスクオン継続の材料。ただし原油が100ドルを突破した場合はインフレ再燃→FRB利上げ加速→株安の連鎖が現実味を帯びる。FedWatchの12月利上げ確率72%を背景に「強すぎる経済=株の敵」の構図が続く見通し。
🇯🇵 日本経済・為替
動向: 6月8日(月)の東京市場では、米雇用統計ショックを受けて日経平均が-2,563円(-3.83%)の64,024円と3日続落(今年2番目の下落幅)。先週水曜に史上最高値68,402円を記録した直後の急落で、AI・半導体関連株を中心に売りが集中。上海総合も-30.045(-0.74%)の4,027.736と軟調。ドル円は160.163円と、日米金利差を背景に底堅い動きを継続。5日発表の日本4月実質賃金は前年比+1.9%と4カ月連続プラスだったが、円安抑制には至らず。
見通し: ドル円は159.60〜160.80円のレンジを想定。160円台では政府・日銀の介入警戒(三村財務官の「回数に制約なし」発言)が上値を抑制するため、急速な円安進行は限定的。本日15:00の工作機械受注(前回+45.1%)が強ければ日本製造業の底堅さを確認し、日経平均の下値支持材料となる可能性。日経平均は米国株の月曜反発を受け64,000〜66,000円での自律反発を試す展開か。ただしドル高・米金利上昇が継続すれば上値は限定的。
🇨🇳 中国経済・為替
動向: 6月8日(月)、上海総合指数は-30.045(-0.74%)の4,027.736で引け。人民元中心レートは1ドル=6.8198元(前日比-0.0041)と元安傾向。米利上げ観測強まりによるドル高圧力と地政学リスク上昇がリスクオフ心理を高め、中国株・人民元ともに売り圧力。ドル/人民元(USD/CNH)は6.7834(-0.02%)と比較的落ち着いた動き。
見通し: 本日は中国の主要経済指標の発表予定なし。本日21:30発表の米貿易収支の内訳(対中赤字の規模)が貿易摩擦議論を刺激する可能性がある点に留意。上海総合は4,000〜4,050のレンジでの底値固めを想定。中国当局の財政・金融刺激策への期待が下値を支えるが、米利上げ観測が続く局面では明確な反発は難しい見通し。
🇪🇺 ユーロ圏経済・為替
動向: 6月8日(月)は欧州株が全般軟調。独DAX -0.4%(24,759.05)、仏CAC40 -0.1%、スイスSMI -0.2%。EUR/USDは1.15316(-0.06%)、EUR/JPYは184.681(-0.02%)と小幅下落。ユーロ圏1-3月期GDP確定値が速報値・改定値の+0.1%から-0.2%のマイナス成長に下方修正されており、景気後退懸念が重石。なお6月4日(木)に発表済みのスイスCPI(5月)は+0.6%YoY(予想+0.8%を下回り)とインフレ鈍化が確認され、SNBの追加利下げ余地を示唆。独10年債利回りは3.038%(+0.015%)と小幅上昇。
見通し: EUR/USDは1.15〜1.16のレンジを想定。本日15:00のドイツ鉱工業生産(予想+0.2%、前回-0.7%)が最大の焦点で、反発なら欧州景気回復への期待感でユーロを下支え。予想を下回れば2四半期連続のGDP悪化と重なりユーロ売り圧力が強まる。18:00のユーロ圏小売売上高(前回-0.1%)も消費回復のシグナルとして注目。ECBの利下げ打ち止め観測が広がる中、米との金利差縮小シナリオはユーロ支持材料となり得る。
🇦🇺🇳🇿 オセアニア経済・為替
動向: 6月8日(月)の豪ドルはAUD/USD 0.70407(-0.07%)、AUD/JPY 112.760(-0.08%)と小幅下落。NZドルもNZD/USD 0.58044(-0.14%)、NZD/JPY 92.951(-0.11%)と売り圧力が続く。米雇用統計を受けた全般的なドル高と、リスクオフムードが資源国通貨の重石となった。
見通し: 本日10:30に豪州NAB企業信頼感指数(前回-24)・景況感指数(前回+3)が発表予定。信頼感指数は前回が大幅なマイナスであり、改善すればAUD上昇余地。回復確認なら0.705〜0.710のレンジ、悪化継続なら0.695〜0.705のレンジを想定。RBAの追加利上げ期待が後退する中、米利上げ観測によるドル高がオセアニア通貨の上値を引き続き抑制。リスクオン転換の鍵は本日の米中古住宅販売等の結果次第。
🥇 ゴールド & 🛢️ 原油
ゴールド: 金は$4,321.995(-$7.989、-0.18%)。米雇用統計後の金利上昇観測を受けた「実質金利上昇は金の保有コスト増」の論理で小幅調整。ただしイラン・イスラエル地政学リスクが下値を支え、NY引けは$4,365.30。$4,300〜$4,380のレンジを想定。地政学リスクが悪化した場合は$4,400挑戦の可能性。
原油 (WTI): WTI原油は$92.578(-$0.442、-0.48%)。イスラエルがイランのマフシャール地区石油化学施設を攻撃したとの報道でブレントは一時+2%超となるも、トランプ大統領の停戦維持宣言で上値を抑制。$90〜$95のレンジを想定。原油が$100突破の場合はインフレ再燃→FRB利上げ加速のシナリオが強まり、株式・債券市場全体への波及リスクとなるため注意。
🪙 仮想通貨
BTC: ビットコインは$62,673(-$1,050、-1.65%)。日中高値$64,294から押し戻され、米金利上昇・リスクオフ圧力が重石。スポットETFからの資金流出も重なり軟調。$60,000〜$65,000のレンジでの方向感を見極める局面。本日の米指標(中古住宅販売・貿易収支)の結果がリスクオン・オフの方向性を左右するか注目。
🗓️ 本日発表予定の主要経済指標
| 時刻 | 国 | 指標名/発言者 | 前回 | 予想 | 重要度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 10:30 | 🇦🇺 | NAB企業信頼感指数(5月) | -24 | - | ★★ |
| 10:30 | 🇦🇺 | NAB企業景況感指数(5月) | +3 | - | ★★ |
| 15:00 | 🇯🇵 | 工作機械受注[前年比](5月) | +45.1% | - | ★★ |
| 15:00 | 🇩🇪 | 鉱工業生産[前月比](4月) | -0.7% | +0.2% | ★★★ |
| 15:00 | 🇩🇪 | 鉱工業生産[前年比](4月) | -2.8% | -1.1% | ★★ |
| 15:00 | 🇩🇪 | 貿易収支[季調済](4月) | +143億EUR | +159億EUR | ★★ |
| 18:00 | 🇪🇺 | ユーロ圏小売売上高[前月比](4月) | -0.1% | - | ★★ |
| 19:00 | 🇺🇸 | NFIB中小企業楽観指数(5月) | 95.9 | 96.0 | ★★ |
| 21:30 | 🇺🇸 | 貿易収支(4月) | -603億USD | -565億USD | ★★★ |
| 21:30 | 🇨🇦 | 国際商品貿易(4月) | - | - | ★★ |
| 23:00 | 🇺🇸 | 中古住宅販売件数(5月) | 402万件 | 406万件 | ★★★ |
| 23:00 | 🇺🇸 | 中古住宅販売件数[前月比](5月) | +0.2% | +1.0% | ★★ |
| 23:00 | 🇺🇸 | 卸売在庫[前月比](4月) | +0.5% | +0.6% | ★★ |
注記:
重要度は★★★(最重要)、★★(注目)、★(参考)の3段階。時刻は日本時間(JST)。前回値・予想値は参考値です。
※本日発表済みとして除外した指標:🇨🇭スイスCPI(6/4発表:+0.6%YoY、予想+0.8%を下回り)、🇨🇭スイス雇用統計(6/1発表)、🇬🇧英国建設業PMI(6/4発表:38.2、前回39.7から悪化)、🇺🇸非農業部門労働生産性(改定値)(6/4発表:+0.3%)