目次
朝の経済レポート
経済・為替市況 2026年08月03日(月) | 市場動向と経済指標カレンダー
🎯 本日の最重要注目ポイント
- 米ISM製造業景況指数: 23:00発表の7月指数は53.9予想。景気拡大の継続に加え、支払価格指数が前回73.0から予想70.0へ低下するかが、米金利・ドル・株式市場の方向を左右する。
- 欧州製造業とスイス物価: ドイツ小売売上高、スイスCPI、フランス・ドイツ・ユーロ圏・英国の製造業PMI確報値が相次ぐ。景況感の改善とインフレ鈍化が両立するかを確認したい。
- アジアの製造業: 中国RatingDog製造業PMIは52.0予想。豪州、日本、中国のPMIがそろって50を上回れば、人民元や豪ドルに加え、資源株・アジア株への追い風となる。
- 円相場の介入警戒: 7月31日は円買い介入観測を背景にドル円が一時157円台まで急落した。週明けも157円台後半を下値、162円台を上値の警戒水準として、流動性低下時の急変に注意が必要。
🇺🇸 米国経済・為替
動向: 7月31日の米国株は反発し、NYダウは52,485.03ドルと前日比276.97ドル高、S&P500は7,489.72と52.09ポイント高、ナスダック総合は25,373.85と251.68ポイント高で終了した。Amazonなど大型ハイテク株への買いが指数を支えた一方、原油高によるインフレ懸念から米10年国債利回りは4.7%台へ上昇し、小型株には金利負担が意識された。月間ではナスダックが下落しており、AI投資に対する選別姿勢は残っている。
見通し: S&P500は7,400~7,550を中心とする推移を想定する。本日23:00のISM製造業景況指数が53.9を上回り、支払価格が70.0以下へ低下すれば、景気拡大とインフレ鈍化の組み合わせからハイテク株高・金利安・ドルの上値抑制につながりやすい。反対に景況指数が強く、支払価格も73.0を上回れば、米10年債利回りが4.8%へ接近し、ドル高とグロース株の利益確定売りが同時に進むリスクがある。原油上昇から期待インフレ、長期金利、株式バリュエーションへ波及する連鎖にも注意したい。
🇯🇵 日本経済・為替
動向: 7月31日の日経平均株価は64,362.02円となり、前営業日の61,867.43円から約4.0%上昇した。前日の米半導体株急反発を受けてAI・半導体関連株へ買い戻しが入り、指数を押し上げた。一方、為替市場では円買い介入観測によってドル円が163円台から一時157円台へ急落し、輸出企業にとっては円高が業績期待の重荷となった。日銀は政策金利を1%に据え置いたが、植田総裁の物価上振れ警戒により追加利上げ観測は維持された。
見通し: 日経平均は63,000~65,500円、ドル円は158~162円を中心に値幅の大きい展開を想定する。09:30の日本製造業PMIが予想54.7を上回れば国内景気への安心感から日本株を支えやすいが、同時に日銀の利上げ観測が強まり、ドル円には下押し圧力がかかり得る。ドル円が157.50円を明確に割れる場合は155円方向、162円を上抜く場合は164円と再介入警戒が視野に入る。米半導体株高は日本の半導体関連株へ波及する一方、円高と原油高が輸出採算・輸入コストを同時に圧迫することがリスクシナリオとなる。
🇨🇳 中国経済・為替
動向: 中国では製造業の回復度合いと、原油高による企業コスト上昇が焦点となっている。前回のRatingDog製造業PMIは51.7と、好不況の分岐点である50を上回った。アジア時間序盤の豪ドル米ドルは0.7000近辺で推移しており、中国景気の底堅さをある程度織り込んでいるが、資源価格上昇が企業利益を圧迫する可能性も意識されている。
見通し: 10:45の中国RatingDog製造業PMIは52.0予想。52を上回り、新規受注や生産の改善が確認されれば、人民元高、豪ドル高、資源株高の連鎖が想定され、豪ドル米ドルは0.7050突破を試しやすい。反対に50を割り込めば、中国需要減速への懸念から銅・原油・アジア株が下落し、豪ドル米ドルは0.6950方向へ調整する可能性がある。原油高による投入価格上昇だけが目立つ場合は、景気改善でも企業収益への警戒から株価の反応が鈍るリスクがある。
🇪🇺 ユーロ圏経済・為替
動向: ユーロドルは週明け早朝の収集時点で1.1392近辺、ユーロ円は186.47円近辺だった。7月の製造業PMI速報値はフランス50.0、ドイツ52.2、ユーロ圏52.0と、域内製造業の持ち直しを示している。一方、エネルギー価格と長期金利の上昇は、景況感の改善を相殺しかねない。ドイツでは前回5月の実質小売売上高が前月比1.1%増となったため、6月の反動減が警戒されている。
見通し: ユーロドルは1.1300~1.1500、ユーロ円は183~188円を想定する。15:00のドイツ小売売上高が前月比予想マイナス0.3%を上回り、16:50以降の製造業PMI確報値も速報値以上なら、ユーロドルは1.1450から1.1500を試しやすい。小売売上高が大幅に下振れ、PMIも下方改定されれば1.1300割れがリスクとなる。スイスCPIが予想以上に鈍化した場合はフラン安がユーロを相対的に支えるが、原油高が欧州の輸入物価と国債利回りを押し上げれば、株安を伴うユーロ売りへ転じる可能性がある。
🇦🇺🇳🇿 オセアニア経済・為替
動向: 週明け早朝の収集時点で豪ドル米ドルは0.70003、NZドル米ドルは0.58022、NZドル円は94.951円近辺だった。豪州製造業PMIの前回値は51.7で拡大圏を維持した。NZでは前回の住宅建設許可が前月比4.0%減となっており、金利環境と建設コストが住宅投資を抑えているかが注目される。
見通し: 豪ドル米ドルは0.6950~0.7050、NZドル米ドルは0.5750~0.5850を想定する。07:45のNZ住宅建設許可がプラスへ転じ、08:00の豪州製造業PMIが51.7を上回り、さらに中国PMIが52.0以上となれば、オセアニア通貨には三段階の上昇材料となる。反対に住宅指標と中国PMIがそろって弱ければ、NZドル米ドルは0.5750、豪ドル米ドルは0.6950を割り込むリスクがある。中国需要の改善が資源価格を押し上げれば豪ドルには追い風だが、原油高が世界的なインフレと金利上昇を招く場合は、株安を通じて高ベータ通貨が売られる可能性もある。
🥇 ゴールド & 🛢️ 原油
ゴールド: 7月31日の収集値は1トロイオンス4,098.60ドル近辺で、前日比約0.2%安だった。地政学的な安全資産需要は下値を支えたが、米10年債利回りの4.7%台への上昇が金利を生まない金の上値を抑えた。4,050~4,150ドルを中心に、ISM支払価格が予想70.0を下回れば金利低下を通じて上昇しやすい一方、価格指数の再上昇で米金利が4.8%へ向かえば4,000ドル方向への調整リスクがある。
原油 (WTI): 週末の市場表示ではWTIは1バレル88ドル前後で推移し、Brentは報道ベースで87.93ドルに上昇して取引を終えた。中東情勢と供給不安が価格を支える一方、短期間での変動が大きい。WTIは85~92ドルを想定し、92ドル突破ならインフレ期待上昇、米金利高、株価のバリュエーション低下へ波及しやすい。停戦や供給正常化で85ドルを割れば、インフレ懸念の後退が債券・株式市場を支える可能性がある。
🪙 仮想通貨
BTC: 8月3日06:36時点の収集値は64,690ドルで、前日比0.47%高。64,000ドル台で底堅さを示した一方、米長期金利の上昇は流動性に敏感な暗号資産の上値を抑える要因となる。63,000~66,500ドルを中心に、ISMのインフレ指標が鈍化して米金利が低下すれば66,500ドル突破から70,000ドルが視野に入る。反対に原油高と支払価格の上振れが重なれば、金利上昇とリスク資産売りを通じて63,000ドル割れを試す可能性がある。
🗓️ 本日発表予定の主要経済指標
| 時刻 | 国 | 指標名/発言者 | 前回 | 予想 | 重要度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 07:45 | 🇳🇿 | 6月住宅建設許可件数(前月比) | -4.0% | - | ★★★ |
| 08:00 | 🇦🇺 | 7月製造業PMI | 51.7 | - | ★★ |
| 09:30 | 🇯🇵 | 7月製造業PMI(確報値) | 54.8 | 54.7 | ★★ |
| 10:45 | 🇨🇳 | 7月RatingDog製造業PMI | 51.7 | 52.0 | ★★ |
| 15:00 | 🇩🇪 | 6月小売売上高(前月比) | +1.0% | -0.3% | ★★ |
| 15:00 | 🇩🇪 | 6月小売売上高(前年比) | -2.9% | +2.7% | ★★ |
| 15:30 | 🇨🇭 | 7月消費者物価指数(前月比) | 0.0% | -0.1% | ★★ |
| 15:30 | 🇨🇭 | 7月消費者物価指数(前年比) | +0.5% | +0.4% | ★★★ |
| 16:30 | 🇨🇭 | 7月製造業PMI | 54.3 | 54.8 | ★★ |
| 16:50 | 🇫🇷 | 7月製造業PMI(確報値) | 50.0 | 50.0 | ★★★ |
| 16:55 | 🇩🇪 | 7月製造業PMI(確報値) | 52.2 | 52.2 | ★★★ |
| 17:00 | 🇪🇺 | 7月製造業PMI(確報値) | 52.0 | 52.0 | ★★ |
| 17:30 | 🇬🇧 | 7月製造業PMI(確報値) | 52.8 | 52.8 | ★★ |
| 22:45 | 🇺🇸 | 7月S&P Global製造業PMI(確報値) | 53.8 | 53.8 | ★★★ |
| 23:00 | 🇺🇸 | 7月ISM製造業景況指数 | 53.3 | 53.9 | ★★★ |
| 23:00 | 🇺🇸 | 7月ISM製造業支払価格指数 | 73.0 | 70.0 | ★★ |
| 23:00 | 🇺🇸 | 6月建設支出(前月比) | +0.1% | +0.2% | ★★ |
注記:
対象時間帯は2026年8月3日(月)JST 06:00から8月4日(火)JST 05:59まで。重要度は★★★(最重要)、★★(注目)、★(参考)の3段階。米国、日本、ドイツ、ユーロ圏、フランス、英国、カナダ、豪州、NZ、中国、スイスを個別に確認した。カナダは休場で、対象時間帯内に掲載対象となる主要経済指標は確認されなかった。日本の自動車販売台数は発表日を一次情報で確定できなかったため掲載していない。トルコ、南アフリカ、メキシコなど対象外の国・地域は除外した。PMI確報値はS&P Globalの2026年8月3日公式リリース日程、米ISM製造業指数はISMの公式日程、米建設支出は米国勢調査局の公式日程、スイスCPIはスイス連邦統計局の公式日程と照合した。