目次
朝の経済レポート
経済・為替市況 2026年08月31日(月) | 市場動向と経済指標カレンダー
🎯 本日の最重要注目ポイント
- 中国PMI: 10:30発表の8月製造業PMIは前回49.2、予想49.5。節目の50を回復すれば中国株と豪ドル・NZドルを支え、49を下回れば景気減速懸念が強まりやすい。
- 日本の生産・消費: 08:50の7月鉱工業生産は前月比マイナス0.7%、小売業販売額は前年比プラス3.3%が予想される。生産の下振れと消費の底堅さが併存するかを確認したい。
- ドイツ物価: 21:00の8月CPI速報値は前年比プラス3.0%、HICPはプラス3.1%予想。上振れは欧州金利とユーロの上昇要因だが、欧州株には逆風となる。
- 米金利とドル円: ウォーシュFRB議長のインフレ警戒を受け、ドル円は160円台を回復した。23:30のダラス連銀指数が強ければ160.20円突破、弱ければ159円台前半への調整が焦点となる。
- 月末フロー: 英国市場がサマーバンクホリデーで休場となる一方、アジア・欧州では月末のリバランス需要が見込まれる。薄い流動性のなかで、株式・債券・為替の値動きが増幅されるリスクに注意したい。
🇺🇸 米国経済・為替
動向: 8月28日の米国株は、S&P500が7,711.76で前日比マイナス0.25%、NYダウが53,559.99でマイナス0.02%、NASDAQ総合が26,402.42でマイナス0.52%となった。ウォーシュFRB議長が物価安定を重視する姿勢を示したことで利上げ観測が強まり、米10年債利回りは4.676%、2年債利回りは4.232%付近へ上昇した。金利上昇が高PERのハイテク株を圧迫し、ドル円は159.28円付近から160.04円まで上昇した。
見通し: ドル円は159.30円から160.80円を中心レンジとする。23:30発表のダラス連銀製造業活動指数が予想プラス1.6を上回れば、米金利上昇とドル買いが連鎖し、160.20円突破から160.80円を試す可能性がある。反対にゼロを下回れば159.30円、さらに159.00円が下値候補となる。中国PMIの悪化で株安・安全資産需要が強まる場合でも、原油高による米インフレ懸念が金利を押し上げれば、株安とドル高が同時進行するリスクがある。
🇯🇵 日本経済・為替
動向: 8月28日の日経平均は66,405.56円と前日比273.58円高、プラス0.41%で終了した。AI・半導体関連が買われ、TOPIXも4,146.71へ上昇した一方、米金利上昇と円安を受けてドル円は160円台を回復した。円安は輸出企業の採算を支える半面、原油価格が83ドル台にあるため、輸入コストと国内物価を押し上げる懸念が残る。
見通し: 日経平均は65,800円から67,000円、ドル円は159.30円から160.80円を想定する。08:50の鉱工業生産が予想の前月比マイナス0.7%を上回り、小売業販売額も前年比プラス3.3%を超えれば、内需・設備投資関連株に買いが広がりやすい。一方、強い統計が日銀の政策正常化観測を高めれば円高を通じて輸出株の上値を抑える。160.50円超では当局の円安けん制や介入警戒が急速に高まり、半導体株高と円高が同時に起きる場合は指数の方向感が不安定になる。
🇨🇳 中国経済・為替
動向: 8月28日の上海総合指数は3,956.57と前日比44.05ポイント上昇した。ドル人民元はオフショア市場で6.7313付近となり、人民元は比較的安定している。ただし、7月の公式製造業PMIは49.2、非製造業PMIは49.0と、ともに景気判断の節目である50を下回っており、内需と新規受注の弱さが市場の警戒材料となっている。
見通し: 上海総合指数は3,900から4,000、ドル人民元は6.70から6.76を想定する。10:30の製造業PMIが予想49.5を上回って50を回復し、非製造業PMIも49.5を超えれば、中国株高から資源価格、豪ドル、アジア株へ買いが波及しやすい。製造業PMIが49を割り込めば3,900割れと人民元安がリスクとなり、鉄鉱石需要への懸念を通じて豪州株・豪ドルにも下押し圧力が及ぶ。
🇪🇺 ユーロ圏経済・為替
動向: 8月28日の独DAXは26,367.24と81.28ポイント上昇したが、ユーロドルは1.15834と前日比マイナス0.59%となった。ウォーシュFRB議長のインフレ警戒を受けた米金利上昇とドル全面高がユーロを圧迫した。英国は本日サマーバンクホリデーで市場休場となるため、欧州時間の流動性低下にも注意が必要となる。
見通し: ユーロドルは1.1530から1.1660、DAXは26,000から26,700を想定する。21:00のドイツCPIが前年比予想プラス3.0%、HICPがプラス3.1%を上回れば、独国債利回り上昇を通じてユーロドルは1.1660を試しやすいが、金融引き締め懸念からDAXには逆風となる。CPIが2.8%以下なら1.1530割れが視野に入る。原油が85ドルを超える場合は、輸入インフレ、ECBの慎重姿勢、株価下落という連鎖が強まるリスクがある。
🇦🇺🇳🇿 オセアニア経済・為替
動向: 8月28日の豪ASX指数は9,038.19と89.61ポイント下落した。豪ドル米ドルは0.71634、豪ドル円は114.646、NZドル米ドルは0.59135、NZドル円は94.681となり、米ドル高と中国景気への警戒から資源国通貨は軟調だった。NZの7月ANZ企業信頼感は56.1まで改善した一方、豪州では企業収益と信用の伸びが本日の焦点となる。
見通し: 豪ドル米ドルは0.7100から0.7220、NZドル米ドルは0.5850から0.5980を想定する。10:00のANZ企業信頼感が56.1を上回り、10:30の中国製造業PMIが50を回復すれば、NZドル円は95.30、豪ドル円は115.10を試しやすい。豪州の企業利益が予想プラス2.0%、民間部門信用が前月比プラス0.7%を上回れば豪ドルを支える。中国PMIが49を下回り、原油・鉄鉱石など資源価格も下落する場合は、豪ドル米ドル0.7100割れとNZドル米ドル0.5850方向がリスクシナリオとなる。
🥇 ゴールド & 🛢️ 原油
ゴールド: 8月28日のスポット金は1トロイオンス4,454ドル前後と約3.1%下落した。ウォーシュFRB議長の発言を受けた実質金利上昇とドル高が、安全資産需要を上回る売り材料となった。本日は4,400ドルから4,630ドルを想定し、ドイツCPIと米ダラス連銀指数が強ければ4,400ドル割れ、金利が低下すれば4,530ドルから4,630ドルへの反発が焦点となる。
原油 (WTI): 8月28日のWTI先物は1バレル83.44ドルで終了し、前日比では小幅安となった。地政学的な供給不安が下値を支える一方、金利上昇と需要減速懸念が上値を抑えている。本日は81.50ドルから85.00ドルを中心に、中国PMIが50を回復すれば85ドル突破、49を下回れば82ドル割れを想定する。85ドル超が定着すると、インフレ再燃、米欧金利上昇、株安、ドル高へ連鎖する可能性がある。
🪙 仮想通貨
BTC: ビットコインは8月28日に7万7,800ドル前後まで約3%下落した後、週末は7万8,000ドル台で推移した。米金利上昇とリスク資産の利益確定が上値を抑えている。本日は7万6,800ドルから8万1,500ドルを想定し、8万ドル回復とNASDAQの反発が重なれば8万1,500ドルを試しやすい。米指標上振れで金利が一段と上昇し、7万6,800ドルを割り込む場合は7万5,000ドル方向への調整がリスクとなる。
🗓️ 本日発表予定の主要経済指標
| 時刻 | 国 | 指標名/発言者 | 前回 | 予想 | 重要度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 08:50 | 🇯🇵 | 7月鉱工業生産・速報値(前月比/前年比) | +1.9%/+4.9% | -0.7%/+3.3% | ★★★ |
| 08:50 | 🇯🇵 | 7月小売業販売額(前年比) | +0.6% | +3.3% | ★★ |
| 08:50 | 🇯🇵 | 7月百貨店・スーパー販売額(前年比) | -1.0% | - | ★★ |
| 10:00 | 🇳🇿 | 8月ANZ企業信頼感 | 56.1 | - | ★★★ |
| 10:30 | 🇨🇳 | 8月製造業PMI | 49.2 | 49.5 | ★★★ |
| 10:30 | 🇨🇳 | 8月非製造業PMI | 49.0 | 49.5 | ★★ |
| 10:30 | 🇦🇺 | 第2四半期企業営業利益(前期比) | -1.3% | +2.0% | ★ |
| 10:30 | 🇦🇺 | 第2四半期企業在庫(前期比) | +0.5% | +0.7% | ★ |
| 10:30 | 🇦🇺 | 7月民間部門信用(前月比/前年比) | +0.8%/+8.5% | +0.7%/+8.5% | ★★ |
| 14:00 | 🇯🇵 | 7月新設住宅着工戸数(前年比) | +18.6% | +7.6% | ★ |
| 14:00 | 🇯🇵 | 7月建設工事受注(前年比) | +2.3% | - | ★★ |
| 21:00 | 🇩🇪 | 8月消費者物価指数・速報値(前月比/前年比) | +0.8%/+2.8% | +0.3%/+3.0% | ★★★ |
| 21:00 | 🇩🇪 | 8月調和消費者物価指数・速報値(前月比/前年比) | +0.9%/+2.8% | +0.3%/+3.1% | ★★ |
| 23:30 | 🇺🇸 | 8月ダラス連銀製造業活動指数 | +1.3 | +1.6 | ★★ |
注記:
対象時間帯は2026年8月31日(月)JST 06:00から9月1日(火)05:59まで。重要度は★★★(最重要)、★★(注目)、★(参考)の3段階。発表日と時刻は、経済産業省、国土交通省、中国国家統計局、豪州統計局、豪州準備銀行、ANZ、ドイツ連邦統計局、ドイツ連邦銀行、ダラス連銀の公表予定、および複数の経済カレンダーで照合した。米国、日本、ドイツ、ユーロ圏、フランス、英国、カナダ、豪州、NZ、中国、スイスを個別に確認し、ユーロ圏、フランス、カナダ、スイスには対象時間帯の主要市場指標がなく、英国はサマーバンクホリデーのため掲載対象となる指標を確認できなかった。別日発表のNZ中銀政策金利、ドイツ製造業新規受注、ユーロ圏小売売上高・PPI、スイス雇用統計、対象外地域の指標、ニュース見出しの誤抽出は除外した。